血ニ酔イ死ニ狂ウ
白刃が肉を貫き、血管を裂き、骨に中る。
つい先程まで人であったものが急速に熱を喪い、肉と血と骨の塊へと変わっていく。
白刃を振るうと、まだ生暖かい鮮血が顔にかかる。何を思ったのか、俺は思わずそれを舌で舐め取った。
鉄の味の奥底にある味をはじめて感じとる。
─────あまい。
それを口にした瞬間、多幸感が電流のように脳を駆け巡った。
舌が蕩けるようなあまみと頭を溶かす刺激。嗚呼、きっと世界にあるどんな名酒でもこれには敵わない。
俺は今まで何を恐れていたんだ?
なんだ、簡単じゃないか、人を殺すなんてのは。
嗚呼、そして今まで生きていた命を奪うのがこんなに愉しいなんて知らなかった。
待たせたね■■■■。さぁ、行こうか。聖杯戦争を、狩りを、殺し殺される夜を楽しもう。
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