8/24 S12
次回ラウンド3 黒籠手のターンから
リーヴズ→ブライアントにポーション一個譲渡
下層地区での戦闘の最中からスタート。
満身創痍でスペルを唱える集中力も消えかけていた冒険者一行だったが、それは敵も同じ。
初級呪文や単純な武器攻撃などで確実に敵を減らしていく。
しかしながら、敵の首領の魂使いはしぶとい。
手練れのファイターとバーバリアンに切りかかられながらも、返す刀でバーニングハンズを浴びせかける。
炎を浴びせられながらも繰り出したバーバリアンの渾身の一撃が魂使いの体にめり込んだ。
「ぐ…は…!」魂使いの断末魔の声がか細く響いた。
「はぁ…はぁ…!」ブライアントは全身傷と火傷を負い、息を切らせた。
「一回彼岸が見えましたよ…」と崩れ落ちるレイメイ。
リーヴズが「これ以上はもう戦えんぞ…」とこぼしながら、町の様子を見渡した。
煙の勢いが先ほどまでとは違って少し弱まり、怒号も心なしか聞こえてくる量が減ったようだ。
「どうやら大勢は決したようですね…」とかすかに微笑みながらウーラが言った。
BG防衛線は町の防衛隊の勝利で収束に向かっている。
冒険者一行は這うように民家の軒先に集まり、勝利の余韻に浸ったのだった。
とその時、「伝令ー!伝令ー!」と燃える拳団の兵士が走りこんできた。
「残党がクリフサイド墓地に立てこもり、戦線を立て直している模様!」
「残党は手ごわく、拳団では歯が立ちませんでした」
「あなたたちに対処を頼むとレイヴンガード卿からの命令です!」
「……」激戦の後だったのでまだ自分たちに戦える力があるのかと少しの間逡巡した冒険者一行。
だが…
「行こう。事態は一刻を争うようだ。なにより、この時のための遊撃部隊だろう?」
とリーヴズが皆に問いかけると、一人また一人と武器を担ぎ、クリフサイド墓地に向かう伝令の後についていくのだった。
クリフサイド墓地についた冒険者一行は物陰に隠れながら、残党の勢力を確認していた。
その中に今まで感じたことがないほどの禍々しい雰囲気をまとった二人組がいた。
死闘になると覚悟し、武器を握り締める。
レイメイのシャターで戦闘の火ぶたは切って落とされた。
奇襲が功を奏し、順調に敵の数をへらす。
しかし二人組の一人、ベハルの髑髏王が叫び吶喊してきた!
「血ィィを流せェェ!!」
「させるか!」ブライアントのロングソードが完璧にわきに突き刺さり大動脈を切りさいた。
と思った次の瞬間、暗黒のオーラが噴き出て剣を押しとどめた!
「なにっ!」驚く前衛をしり目に、後衛の目の前に躍り出た髑髏王は、ウーラを凝視した。
「ぐっ…!」いつもの微笑みが消え、だらしなく口元を弛緩させるウーラ。
その刹那、髑髏王の二本のダガーがウーラの胸元に突き刺さる。
音もなく地面に崩れ落ちる。
「ウーラ!」サタディがウーラのそばに駆け寄るが、追撃の一撃を髑髏王が繰り出す。
「ガイディングボルト!」リーヴズの光の矢が髑髏王に突き刺さり、攻撃を押しとどめた
そのコンマ数秒の間、サタディの治癒魔法がウーラを死の淵から引き戻した。
次回に続く!