最初の演技はF-25.01 Square loop on Cornerで、
直線部分がナイフエッジ飛行、パートループはローリングです。
45度の直線とパートループを描き分ける事が大切です。
ちょっとしたコツとしては、この図を見ると分かりますが、パートループの半径は結構小さいです。
(もちろん、これは説明図に過ぎないので、こんなにRが小さい必要はありませんが)
このローリング・ループ中の3時や9時になる瞬間を狙ってエレベーターを多く打つ様にすると、方向転換がやり易くなります。
下の画像はテンプレートと比べてみたものです。
45度ライン時のナイフエッジの癖は水平時と変わってくるので、その辺の調整もまた大変で、何にしても難易度は高いですね。
水平からの立ち上がりが難しいですね。
ミュゼットとテンプレートの比較です。
説明のためにわざわざ失敗した訳ではありませんが、3時の位置でエレベーターの働きが大きいと方向転換がやり易くなるのが分かると思います。
実際にはロールレートが一定でないとダメです。
図形が正確かどうかはリボン図を見れば判りますが、良いフライトの為にはナイフエッジの正確性も大事になります。
これは解説図にも明記されてます。
そんなの当たり前と思われる事ですが、実際これが難しいのです。
動画の姿勢画面を見ると、長年染み付いた癖が抜けず、ナイフエッジが内側に傾いているのが分かります。
ナイフエッジはP-25でも何箇所もあるので、改めて翼の傾きに注意してみる必要があります。
間違った姿勢からでは、機体調整や癖取りなどで正しい判断ができず、迷路に迷い込んでしまいます。
水平と垂直がわからないと、迷路だらけです。
難易度の高い演技になると余裕が無くなってしまうのは分かりますが、基本は大切なので、
例えば上図のP-25で赤丸をつけたところや下図の様なところはは、必ず傾きをチェックしましょう。
見たからといってすぐに直る訳ではありませんが、まずは自分の癖を知る事からです。
演技中のスピードも調べてみます。
降下時はナイフエッジ姿勢なので、胴体がブレーキとなって加速を抑えているのが分かります。
近年のルールでは「一定スピード」が明文化され、スピード変化についての減点は次の様になっています。
BBS内の「パターンフライトの資料」
「P23演技解説と陥りやすい欠点」
昔、等速フライトが言われ始めた頃は、自然の摂理に反した極端な飛行スピードは違和感がある、とも思われたりしたのですが、時代の流れで解釈や感じ方も変わってしまうものです。
まあ、ルールにある以上、公式競技に出場するのであればこの通りにするしかないでしょう。
ただ一方で、スポーツとして楽しむのであれば、このスピードに関してはそれほど拘らなくても良いかと、個人的には思っているのです。
高価な機材を必要とする様なスポーツは、限られた人しかできなくなってしまいますから。
パターンフライトの資料にあるマヌーバーガイド2024年版を見ると、飛行位置違反の減点は最大-3点となっています。
一方、一定の飛行速度に関する減点は最大でも-1点です。
競技となればどちらにも従わなければなりませんが、これを見る限り、何が大切か分かる感じがします。
ブログに書いたFollow Me再生で気が付いた事ですが、
1つは、2:44と2:50で迎角が抜けていました。
翼が水平になった瞬間のアップ操作が必要です。
もう1つは、3:34でのラダー操作。
スナップを止めるためにラダーを抜くと機体がこの様に下がってしまうので、ラダーは残しておくべきです。
細かく見れば大事な修正点はいくらでも出て来るものです。
これはナイフエッジ・トライアングルのテンプレート画像ですが、現実問題としてこれはあり得ません。
ナイフエッジ姿勢で進行方向に対して迎角を取らなければ落下するだけで、直線飛行にはなりません。
ナイフエッジ性能は機体によって様々ですが、そんなところもしっかり見られるのがフライトコーチの凄いところです。
これは「F-25.03 ロール・コンビネーション」のテンプレート。
グラフには青色でPitch0.0°の表示が見えます。
現実の世界ではピッチ0°では水平飛行は続かないので、実際には数度のピッチをつけて飛行することになります。
どれくらいのピッチが必要かは機体性能やスピードによって変わりますが、ロール中なので、単純に水平飛行している時よりは当然大きいピッチになります。
ミュゼットの場合では
飛行コースが波打っているので単純に何度と言えませんが、こういうグラフには機体性能や操縦技術が丸見えになってしまう恐ろしさがあります。
ミュゼットが水平飛行をしているところを他の場面で調べてみると、
正面や背面では約2度、ナイフエッジでは5~6度の迎え角となっていることが分かります。
連続水平ロールの場合、上手く出来ていればこれに近いピッチで収まるのですが、一旦ミスをして頭を下げてしまうと、それを取り戻すのに2倍くらいのピッチが必要になってしまう事もあります。
連続ロールを一定の高度で行うのはかなり難しく、大抵の場合は坂を下る様な感じで行われています。
肉眼では一見綺麗に行われている様に見えるかもしれませんが、これは、水平、ナイフエッジ、背面といったそれぞれの瞬間で僅かに降下している訳なので、それらの僅かな減点ポイントも積み重ねればかなりの減点になるといった風に捉える事もできます。
どういう航跡のロールが望ましいのか、考えてみる必要があるところです。