縁起と円融の違いは、縁起が因と縁と果がそれぞれ個別に成り立っている要素が仮に和合して起こる現象(出来事)なのに対し、円融は因と縁と果が同時に同体で一体となって起こります。
『法華経』の方便品でお釈迦さまが仏の究極の覚りとして舎利弗に告げられた「十如是」がそれにあたります。
如是相・如是性・如是体・如是力・如是作・如是因・如是縁・如是果・如是報・如是本末究竟等の十の如是からなる十如是は、十の要素が縁起として順に起こるのではなく全てが等しく同時に同体で備わっており、この十如是で開かれる仮観・空観・中観の三つの世界観が円かに溶け合う事で円融します。
仮観・空観・中観とは、
仮観=凡夫の世界観
空観=仏の世界観
中観=真如の世界観
の三種の三観の事でして天台教学では、これを「三種三観」と言います。
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