「二乗作仏」という仏教用語をご存知でしょうか。
声聞と縁覚の二乗は成仏出来ないという意味の言葉です。平安時代初頭に「天台宗」の最澄と「法相宗」の徳一の間で五年間にわたって繰り広げられた、仏教史上まれにみる規模の教理的問題における討議がなされ、「三一権実論争」「三乗一乗権実諍論」「法華権実論争」などと言われたりしております。
両者が激しく対立し、重ねて批判の応酬が為された論題の中にこの「二乗作仏」に関する問題があります。
じつは『唯識三十頌』の第七頌に示されている「出世道」もこの「二乗作仏」が深く関係しております。
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