この前五識と第六意識とで立ち上がる世界観を『華厳経』では、
「心は工なる画師の種種の五陰を造るが如く一切世間の中に法として造らざること無し心の如く仏も亦爾なり仏の如く衆生も然なり三界唯一心なり心の外に別の法無し心仏及び衆生・是の三差別無し」
と説かれておりまして、凡夫の心(第六意識)で立ち上がる世界(欲界)と仏の心で立ち上がる世界(色界)と真如の心で立ち上がる世界(無色界)は唯(ただ)心の一法より起こります。
『無量義経』には、
「無相・不相の一法より無量義を出生す」
とありまして、これを日蓮大聖人は、
無相・不相の一法とは一切衆生の一念の心是なり、文句に釈して云く「生滅無常の相無きが故に無相と云うなり二乗の有余・無余の二つの涅槃の相を離るが故に不相と云うなり」云云、心の不思議を以て経論の詮要と為すなり、此の心を悟り知るを名けて如来と云う
と『三世諸仏総勘文教相廃立』の中で申されておられます。
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