内縁と言うからには外縁もありまして、蔵教の『阿含経典』で詳しく解き明かされた順観型の十二因縁が外縁の縁起となります。縁起といいましてもこのように二種の縁起があります。
蔵教=「此縁性縁起」相(色相)を中心として起こる縁起 ---(外縁=順観)
通教=「相依性縁起」性(心性)を中心として起こる縁起 ---(内縁=逆観)
この二つの縁起を『般若心経』では有名な次の文句で顕しております。
此縁性縁起=「色即是空」
相依性縁起=「空即是色」
実体は〝相〟の側面(客観)と〝性〟の側面(主観)の二つの側面(主観と客観)から立ち上がります。
色相=客観認識
心性=主観認識
主観と客観=実体
これが我々凡夫の世界観です。(仮観)
この世界観(仮観)を『唯識』では遍計所執性(へんげしょしゅうしょう)と言います。
前五識と第六意識によって立ち上がってくる世界観です。
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