法介
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2023/09/30 (土) 09:41:56
「解脱」という言葉が出てきましたが、初期仏教では修行者の最高位を「阿羅漢」と言いますが、阿羅漢となる為にはこの解脱を習得しなければなりません。お釈迦さまの十大弟子の中に侍者として常にお釈迦さまの説法を聴いていた多聞第一と言われた阿難がおりますが、第1回の仏典結集のさい、結集への参加資格であった阿羅漢果を未だ得ていなかったので、釈迦の後継者であった摩訶迦葉は、阿難の参加を認めませんでした。しかし、仏典結集当日の朝に阿難は阿羅漢果に達して無事結集へ参加します。如是我聞で始まる経典の「我は仏陀からこのように聞いた」の多くはこの阿難が聞いた話であるとされています。
仏の諸法の説法は、このような阿羅漢達が解脱によって仏の空観(色界)に入って行きそこで聞いて来たお話が経典にまとめられていきます。もちろん阿難のように直接説法をお釈迦さまから聞いた話も経典化されておりますが、それは仮設の世界における説法であって「法」としての諸法の説法は、全て空観でなされているはずです。なぜなら法(真理)というものは〝言葉〟という概念から離れたところにあるものですから。
解りやすい例が、『唯識』の元となった『解深密経』は、弥勒が説いたと記録に残っております。弥勒は天上界の兜率天にいると説かれている菩薩です。
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