ロニーコールマンのへそがハイキングに出かけるようです。
へそ「ホウ、新タナ町へ来タハイイガ、コンナクソ田舎ダト獲物モロクニ居ネエカモナ……」
ロニーコールマンのへそはこんな田舎へ来てしまい、獲物がとれるかどうか心配していた。だが、こうも付け加えた。
へそ「マア、獲物ヲ見ツケルマデ、コノ付近ヲ離レルツモリハ無イ……俺ハ諦メガ悪イカラナ。」
そう、獲物を見つける時のロニーコールマンのへその執念深さは異常なレベルであり、絶対に諦めないのだ。恐るべしロニーコールマンのへそ。
ロニーコールマンのへそは移動を続けた。すると、1つの看板が現れた。その看板にはこう書かれていた。
【この先、約3kmで呼人山登山口駐車場】
どうやら約3km先に「呼人山」なる山があるようだ。登山口駐車場とあるように、ハイキングや登山の名所のようだ。
へそ「ナルホド……山カ、確カニココカラデモ山ガ見エルナ。」
ロニーコールマンのへそが居る場所からも山が見え、それが「呼人山」のようだ。標高は300m程だろうか。登山初心者でも気軽に登れそうな低山地だ。
へそ「セッカク山ガアルンダ、弁当ヲ食イナガラハイキングトイウノモ悪クハナイダロウ。」
ロニーコールマンのへそは山へ行くことにした。弁当を食べながらハイキングを楽しむつもりのようだ。「弁当」が何を示すのかは察していただければと思う。
へそ「早速、向カウゼ!」
そう言うと、ロニーコールマンのへそは目的地へと歩みを進め始めた。
〜20分後〜
へそ「ヨウヤク、山麓付近ニ着イタゼ。ワープヲ使エバ一瞬デ来レタガ、初メテノ土地ヲユックリ見レタシ、タマニハノンビリ行クノモイイモノダ。」
20分かけてロニーコールマンのへそは呼人山の山麓付近へと到着した。ワープ能力を使えば一瞬で来れる距離だが、初めての土地を楽しむ意味でものんびりと移動してきたようだ。この余裕さもロニーコールマンのへその強みと言えるだろう。
へそ「?」
しかし、ロニーコールマンのへそは突然不思議そうな顔をした。
へそ「オカシイナ…登山口駐車場ガ見当タラネエ……」
どうやら、先程看板に書いてあった登山口駐車場が見当たらず、不思議がっているようだ。
へそ「看板ニ書イテタ通リニ来タンダケドナ……オ腹モ空イタシ、テンションガ下ガルゼ……」
ロニーコールマンのへそはお腹が空いてることもあり、目的地を見つけられず少しガッカリしてるようだ。
へそ「クッソォ〜!ドコニアンダヨ……ッテ、ン!?アッチニ続イテル車道ガアルゾ…?シカモ、山頂ヘト続イテイソウダ!」
目的地を見つけられず、悔しがるロニーコールマンのへそであったが、山へと入れる車道を発見した。しかも山頂まで行けそうだ。
へそ「本来ノ目的地トハ違ウガ、マアイイ!コッチノ車道カラ山頂マデ行クゼ。獲物モ採レソウダシナ!」
そして、ロニーコールマンのへそは車道側から山頂まで登る…いやハイキングすることに決めたのだ。
へそ「モウ、オ腹ペコペコダゼ……クゥ〜〜ッ!!我慢出来ネエッ!!レッツゴー!!」
ロニーコールマンのへそはペコペコのお腹を満たすために車道を登り始めた。すると早速、
へそ「ン?車ガ何台カ停マッテイルゾ…?アレハ道路沿イノ休憩所的ナモノカ?」
ロニーコールマンのへその視線の先に数台の車が停まっていた。山道脇の広くなっている部分で休憩所のように見える。
へそ「コレハ人間、イルナ!!」
ロニーコールマンのへそは人間がいることを確信し、目をキラキラと輝かせた。
場面は変わり、先程の休憩所に停まっている中の1台の車の運転席でスマホをいじっていた男が降りてきて、何やら辺りをキョロキョロ見回している。
男「あれ?おっかしいな……あいつまだ立ち○ョンから帰ってこないのかよ……」
男にはどうやらツレがいたようで、彼は近くにナニをしに行ってからなかなか帰ってこないようだ。
男「おーい、お前ほんとは野○ソだったんだろ?www立ち○ョンに何分かかってんだよ(笑)」
しびれを切らした男は、ツレがナニをするために入った茂み付近で笑いながら実は大きいほうだろとからかいながら呼びかける。しかし、直後に男はそこでおかしな光景を目にする。
男「ん?何だ?この木と草に着いてる紫色の液体みたいなの……」
なんと、そこの茂みにある草や木に紫色の液体がねっちょりと付着していたのだ。範囲で言えば3メートル四方程か。
男「何でこの辺りの植物だけこんな色の液体が着いてるんだ…?気味が悪いけど、まあ大きな木も多いし樹液的なやつだろう!それより、あいつは一体何処に居るんだ…」
男はツレが向かった茂み付近の植物にだけ紫色の液体が付着していることに気味悪く感じたが、大木も多いため樹液的なものだろうと納得した。
男「う〜ん、困ったなあ……とりあえずあいつの携帯に電話かけてみるか…って、そうだ、俺のスマホは車に置いてきたんだった…車に戻らないと。」
ツレ探しを再開した男は、彼に連絡を取るためポケットからスマホを出そうとするが、自分のスマホは先程車から降りる時に車内に置いてきたことを思い出した。男が車に戻ろうと歩き始めたその時、
男「あれ?なんだこの丸くてデカい物体…さっき通った時は無かった気がするんだよな…」
男が現在いる場所から車がある休憩所までは50m程しか離れていないが、その中間地点辺りにある木の幹に寄りかかるようにしてボールのような丸い物体があった。しかも、それは男が先程通った時には無かったようだ。ちなみに丸い物体のサイズは人間の背丈と変わらない程と案外大きい。
男「ったく……何だよ気持ち悪いな。」スタスタ…
男は次々と目の前に現れた丸い物体に対して明らかに気味悪さを感じたので、物体が何も動いてないことを確認すると、出来るだけ見ないように足早に横を通り過ぎて、何とか休憩所にある車へと戻ってきたのだが……
男「何なんだよ…これ」
休憩所へ戻った男が見たものは、自分の車以外の休憩所に停まっていた数台の車全ての運転席のドアが開けられており、それぞれに乗っていた人間も全員居なくなっているのだ。そして更に、
男「こ、これは…!さっきの…」
男は自分の車以外の全ての車の車体だけでなく、車内にまでねっちょりと紫色の液体が付着してるのを確認した。その液体は>> 10で男が見た液体と全く同じに違いなかった。
男「あいつだけでなく、この駐車場にいた他の車の人達も全員いなくなってるし、変な紫色の液体がそこらじゅうついてるし、一体何なんだよ…!」
男はさっきまでこの駐車場にいた自分以外の人間が全員姿を消したことに戸惑っていた。その直後、男は背後に強烈な殺気と変なむくもりを感じた。
男「なんだ…?(ゾクッ)」
男が後ろを振り向くと、
男「さっきの丸くてでかい物体がなんで俺の後ろに……?」
そう、>> 11で木の幹に寄りかかっていた丸くてでかい物体が、なぜか男の背後に移動していたのだ。次の瞬間、
丸くてでかい物体「ぬがああああああ………あ゛〜〜〜〜ん!!」
丸くてでかい物体が突如として、ものすごい咆哮とともに大口を開けたのだ。開いた口の大きさは車1台を軽々と丸呑み出来そうな程だ。
男「ひぃえええええ!うっ…ひぃ……あぁ……」
そのおぞましい光景を見た男は悲鳴を上げるが、腰を抜かしてしまい逃げることが出来ない。
丸くてでかい物体「コノ駐車場デノ最後ノゴ飯、イッタダキマース!」「あ゛ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん゛!!!」
丸くてでかい物体は更に口を大きく開け、男に近づく。その時、
男「あ、、れ…は……!」
腰を抜かして喋ることもままならない状態の男は、丸くてでかい物体の大きく開けられた口の奥、喉の辺りに迷彩柄の短パンと赤のTシャツ、そして"何らかの動物の脚の骨らしきもの"を発見した
男「あいづ、……の、服だ……」
そう、丸くてでかい物体の口の奥にあった服とズボンは間違いなく先ほどから行方不明になっていた男のツレのものであった。
丸くてでかい物体「ンマソオ〜〜〜ッ!!」ドゥルルルアァァァ〜〜
丸くてでかい物体は目の前の男を見て喜んでいる様子で、唾液を滝のように下に落としている。よほど美味しそうなご馳走なのだろう。そして、その唾液は紫色であった。
男「だ、だでかだすげて!だふけてぐれえええ!!」
男は、全てを悟った。『自分の周りの車や木に着いていた紫色の液体の正体はこのバケモノの唾液であり、自分以外の人間は全てこのバケモノの胃袋の中なのだ』と。そして、声も上手く出せないながらも必死で誰かに助けを求めた。
丸くてでかい物体「無駄ダ……オ前モスグ、オ前ノ友達ヤコノ休憩所ニイタ他ノ奴ラミタイニ、俺ノゴチソウトナルノダ!」
丸くてでかい物体は周りに助けを求める男に対し、無意味である事を忠告する。そしてやはり、男のツレや休憩所にいた他の人間達は、この丸くてでかい物体によって食べられたのだ。
男「うっ……あぁ……ひぃ……!だ、だだすけでええええ!!」
男は恐怖のあまり助けてと連呼することしか出来ないようだ。
丸くてでかい物体「フン、助ケナドイクラ求メテモ無駄ダト言ッテオルダロウガ!コレカラ死ニユク分際デゴチャゴチャウルサイ奴ダ…ソロソロ、終ワラセヨウ。」
明らかに無駄な行為をし続ける男に対し、若干苛立ちを見せる丸くてでかい物体。次の狩り場まで行くためにもここは早めに終わらせたいようだ。
男「お、お、おおおえは、おへぇはっ…!どどど、どどふなるんだ……!!」 丸くてでかい物体「フン、『俺はどうなるんだ?』ダト?決マッテルダロ!ココニイタ他ノマヌケナ連中ト同ジク、俺ニ食ワレ栄養ニナルダケダ。」
男はもはやまともに喋ることも出来ず、身体も動かせない様子でパニックになり自分はどうなるのかと叫んだ。しかし、丸くてでかい物体は男に対して自らに食べられ栄養になる運命なのだと淡々と説明した。すると、
男「あ゛ああっ、あのっ!ずみばぜん!!ちちょっどだげ、まま…っでぐれまぜぜんかっ…!?(ヒック!)」
このままではただ丸くてでかい物体の怪物に食べられるだけだとわかりきっていた男は、ダメ元で自分の目の前にいる怪物に対し、嗚咽混じりに説得しようとした。
丸くてでかい物体「何ダ?」 男「ああ、、あの゛っ!びのがじで貰うことはででて出来ませんがっ…!?」
男は決死の思いで、丸くてでかい物体に見逃してもらえないか尋ねた。
男「た、たただ頼みまずっ!どうふぁ命だげばっ…!!」 丸くてでかい物体「ホウ、命ダケハ助ケテクレト?ウ〜厶……トリアエズ、オマエノ望ム事ハワカッタ!」
すると、丸くてでかい物体は意外な事に男の発言に理解を示し、先程まで男を捕食するために大きく開けていた口を閉じた。
丸くてでかい物体「トリアエズオマエヲ食ウノハヨシテヤルカラ、落チ着ケ。」 男「………ホッ」
丸くてでかい物体は男の必死の頼みを聞き入れ、とりあえず男を捕食するのは中止し、同時に恐怖でパニック状態となっていた男に落ち着くように言った。男はそれを聞いてか少しホッとした。
丸くてでかい物体「フウ、少シハ落チ着イタヨウダナ。正直ヨォ、数イル人間ノ中デ、オマエ1人ヲ食エナカッタカラトイッテ、ソコマデ問題デハナイカラナ、ソコマデ必死ニオ願イサレチャアナ……今回ハ見逃シテヤッテモイイト思ッタンダ。」
男が徐々に冷静になった様子を見た丸くてでかい物体はさらに言葉を続けた。たかが男1人を捕食出来なかったからといってそこまで問題ではないと考えたため、命乞いしてくる男を捕食せず助けたようだ。また、今回の舞台が登山も気軽に出来るような山なので他にも美味そうな人間はそこそこいるだろうと思ったのも理由だろう。
男「とと、と言う…事は、俺は、助かったんですかか…っ?」
一連の発言を聞いた男は丸くてでかい物体に尋ねた。
丸くてでかい物体「アア、ソノ認識デオーケーダ。オマエノソバニイタ他ノ奴ラハ食ッチマッタカラアレダガ、怖ガラセテ悪カッタナ。」
丸くてでかい物体は男に謝罪の意を示した。人間を捕食しまくる怪物とは思えない態度である。
男「あああ、ありがどうございますすっ!」
男はまだどもり気味だが、自分を見逃してくれた丸くてでかい物体、いや怪物に対してお礼をした。
丸くてでかい物体「フン、礼ナドハイラヌ。元々ハ俺ガオマエヲ食オウトシテ怖ガラセテシマッタカラナ。」 男「は、ははは……い、いえ!」
男は先程まで自分を捕食しようとした怪物を目の前にしているとは思えない安堵の表情だ。自分が助かった事に喜ぶあまり、怪物に食われたツレの事などはとっくに頭にないようである。典型的な喉元過ぎれば熱さを忘れる性格なようだ。
丸くてでかい物体「マア、ソウ言ウ事ダ。俺ハモウ行クカラ、ジャアナ。気ヲツケテ帰レヨ。」
丸くてでかい物体は男に別れの挨拶をし、気をつけて帰宅するよう声をかけ、その場をあとにしようとした。
男「ほ、ほんとにありがとうございました!じゃあ、自分はこれで失礼します。」 丸くてでかい物体「オゥヨ。」
この場をあとにしようとする丸くてでかい物体に、男は頭を下げお礼を言ってから自分の車に戻ったが、次の瞬間急に態度を一変させた。おそらく、怪物から解放された上に車内という空間に守られているという安心感ゆえだろう。
男「ふぅ、死ぬかと思ったな〜ったく、、なんだったんだよあいつ…気持ちわりぃバケモノだったなぁ。くっそ怖かったけど、あんな演技するだけで逃してくれるとは結構チョロい奴だなwwはっはははww」
男は解放されたのをいいことに車内でこれでもかというほどイキり散らしている。友達を怪物に食べられている事には変わりないが、そんなことはどうでもいいのだろう。典型的な自己中野郎である。
男「さあさあ、帰るかぁ〜ww」
浮かれた男は帰ろうとエンジンをかけ、出発した。
丸くてでかい物体「オッ、サッキノアイツモ普通ニ運転シテ帰レルミタイダシ、サア俺ハ次ノゴ飯ヲ探シニイクカ。サッキアイツ以外ノ数人ハ食ベタケド、マダオ腹スイテル。」
丸くてでかい物体は後ろを振り向き、帰る男を見送りながら、次の獲物を探しに行くことを決めた。
丸くてでかい物体「ウゥ……」
しかし、その直後、丸くてでかい物体が立ち止まって唸り始めた。何なのだろうか?
丸くてでかい物体「ウンチ、出ソウ……」
なんと、立ち止まった理由は糞が出そうだからなようだ。先程食べた数人に加え、この山にたどり着くまでにつまみ食いした人間分の栄養を吸収し、排泄物が作られ、そして排出するタイミングだったのだ。
丸くてでかい物体「我慢デキネエッ…ココデ、出シテイコウ!」コォォォ…!
どうやらそれを我慢は出来ないようで、ここで出していくことに決めた。と同時に丸くてでかい物体の身体の後ろ側の穴が大きく開いた。穴の直径は1mはゆうに超える。
モリッ
そして、開いた穴から1m程の茶色の楕円形のものが半分ほど顔を出した。これが丸くてでかい物体の糞だ。
丸くてでかい物体「ウ゛ゥ゛ア゛ァーーーッ!!!」バシュウウウーン!!
大きい唸り声を上げた丸くてでかい物体から糞がものすごいスピードで後方に発射された。新幹線並のスピードだ。
場面は変わり、>> 21で車を走らせた男はちょうど山を下っていた。
男「助かったのはいいけど、マジで今日は散々な目に合ったな〜、バケモンはいるわそもそも山自体に大した魅力もねえわで、こんな山二度と来るかってんだ。」
運転中の男は助かった安堵と同時に、恐怖を植え付ける元となったこの山と丸くてでかい物体に愚痴をこぼした。
男「まあいいや、もう今日の事は忘れよう。それよりまだ昼の2時か、命拾いした記念にちょっと豪華な飯でも食いてえな、なんつってw」
だが、嫌な思い出に対する恨み節ばかり言ってても仕方がないと思った男は今日の事はもう忘れようと決心した。そして、予想以上にまだ早い時間だったのと、助かった嬉しさなのか少し高価なご飯でも食べたいと口にした。
男「今から飯行くなら、1人で行くのもあれだし、誰か誘おうかな?」
ただ、1人でご飯に行っても面白くないと考えた男は、友達か誰かを誘おうとしていた。つい数十分前まで一緒に車に乗ってドライブしていたツレは怪物に食べられ、自身も一時は怪物に襲われかけた人間とは思えない呑気さだ。既に怪物に食べられたツレの事など頭の片隅にも無いのだろう。
男「よし!ドリーに連絡してみよう。あいつ確か今日は休みだったはず。」
男は友達に連絡する事にした。どうやら男はその友達の事を"ドリー"というあだ名で呼んでいるようだ。
男「とりあえず、あそこに車停めて電話するか〜」
男は100メートル程先にある、周りより広くなっている路肩部分に車を一旦駐車してそこで友達のドリーに電話する事にした。
男「あいつの連絡先はっと……あった。……………もしもし、ドリー?俺だけど。」
ドリー「おお、久しぶりじゃないか、どうしたんだ?」
男「ドリー今日休みだったよな?今からちょっと豪華なとこ飯行こうと思ってるんだけど、よかったらお前も一緒に行かないかと思って電話したのよ。」
ドリー「ああ、休みだよ。え?豪華な飯?そりゃ楽しみだ、もちろん俺も行きたいよ。それにしてもいきなりそんな高価な店に誘うしお前えらく機嫌良さそうだな、パチンコでも勝ったのか?w」
男は車を路肩に停め、ドリーへ電話した。するとすぐにドリーに繋がり、彼も男の誘いに対して乗り気なようだ。ドリーはやたら上機嫌な男に対してパチンコでも勝ったのかと笑いながら言った。
男「ははは、そんなんじゃないよwたまにはそういう良い店に食べに行くのもいいかなって思っただけだよ。」
ドリー「なるほどな。わかった、じゃあ一緒に行こう!とりあえず時間は何時くらいに合流する?俺はいつでも大丈夫だけど、お前は何時からが良いとかある?」
男は、パチンコ勝っただとか関係なく、たまには豪華な店に食べにいくのもいいと思っただけと言った。それに対してドリーもわかったと返事をし、いつぐらいの時間が都合が良いか男に尋ねた。
男「う〜ん、そうだなぁ…え〜っと、、、ん?」
男は少し悩みながら、何気なく車のサイドミラーを見た。すると、
男「なんだ……あの黒いやつ…」
後方遠くから黒い塊状のものが男の車の方向に飛んで来ているのが見えた。
ドリー「おい、どうかしたのか?」
男「あぁ…う、うわあああぁ!」
ズガアアアアアァァァン!!!!
男からの言葉が急に止まったことに心配したドリーは男に声をかけた。次の瞬間、男の悲鳴が聞こえたと同時に何かがぶつかって壊れるような大きな音が響いた。
ドリー「なんだ今の音?おい!大丈夫なのか、しっかりしろ!!おいっ!!」
男「あ……あぅ………」
男の悲鳴とその大きな音はドリーの電話にも響いてくるほどだった。明らかに男に何か起きたと確信したドリーは男に電話越しに繰り返し話しかける。すると、男はまるで死に際のようなか細い声を出した。
ドリー「どうしたんだ!?大丈夫か!?」
男「…」
しかし、それを最後に男の声はしなくなった。
ドリー「た、大変だ!警察に連絡しないと…くっそ、でもあいつがどこにいるか俺にはわからないんだった!どうすればいいんだ…!」
男からの声がしなくなった事に明らかにヤバさを感じたドリーは警察に連絡しようとするが、男が今いる場所がどこかわからないことを思い出した。
ドリー「くそ、もう一度あいつに電話かけてみよう!」
プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…
ドリー「出ない…あいつどうなったんだよ!?ちくしょー!!」
そこで、ドリーはとりあえずもう一度男に電話をかけてみるが、いくら待っても男が電話に出る事はなかった。
場面は変わり、呼人山の山道では、一台の車が山道脇の擁壁にぶつかった状態で原型が無い程に潰れており、しかも炎上していた。そう、この車は男が乗っていたものだ。
運転席の男はちっとも動かない。おそらく○亡しているものと思われる。そして、ボロボロに壊れて炎上する男の車のすぐ側に1m以上はある黒い物体があった。その物体はパッと見は落石により落ちた石やコンクリートの塊のようにも見えるが、もっと柔らかそうに見える。何より、ハエが大量に集っていたのだ。
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「艦隊これくしょん -艦これ- 攻略 Wiki」の避難所です。
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へそ「ホウ、新タナ町へ来タハイイガ、コンナクソ田舎ダト獲物モロクニ居ネエカモナ……」
ロニーコールマンのへそはこんな田舎へ来てしまい、獲物がとれるかどうか心配していた。だが、こうも付け加えた。
へそ「マア、獲物ヲ見ツケルマデ、コノ付近ヲ離レルツモリハ無イ……俺ハ諦メガ悪イカラナ。」
そう、獲物を見つける時のロニーコールマンのへその執念深さは異常なレベルであり、絶対に諦めないのだ。恐るべしロニーコールマンのへそ。
ロニーコールマンのへそは移動を続けた。すると、1つの看板が現れた。その看板にはこう書かれていた。
【この先、約3kmで呼人山登山口駐車場】
どうやら約3km先に「呼人山」なる山があるようだ。登山口駐車場とあるように、ハイキングや登山の名所のようだ。
へそ「ナルホド……山カ、確カニココカラデモ山ガ見エルナ。」
ロニーコールマンのへそが居る場所からも山が見え、それが「呼人山」のようだ。標高は300m程だろうか。登山初心者でも気軽に登れそうな低山地だ。
へそ「セッカク山ガアルンダ、弁当ヲ食イナガラハイキングトイウノモ悪クハナイダロウ。」
ロニーコールマンのへそは山へ行くことにした。弁当を食べながらハイキングを楽しむつもりのようだ。「弁当」が何を示すのかは察していただければと思う。
へそ「早速、向カウゼ!」
そう言うと、ロニーコールマンのへそは目的地へと歩みを進め始めた。
〜20分後〜
へそ「ヨウヤク、山麓付近ニ着イタゼ。ワープヲ使エバ一瞬デ来レタガ、初メテノ土地ヲユックリ見レタシ、タマニハノンビリ行クノモイイモノダ。」
20分かけてロニーコールマンのへそは呼人山の山麓付近へと到着した。ワープ能力を使えば一瞬で来れる距離だが、初めての土地を楽しむ意味でものんびりと移動してきたようだ。この余裕さもロニーコールマンのへその強みと言えるだろう。
へそ「?」
しかし、ロニーコールマンのへそは突然不思議そうな顔をした。
へそ「オカシイナ…登山口駐車場ガ見当タラネエ……」
どうやら、先程看板に書いてあった登山口駐車場が見当たらず、不思議がっているようだ。
へそ「看板ニ書イテタ通リニ来タンダケドナ……オ腹モ空イタシ、テンションガ下ガルゼ……」
ロニーコールマンのへそはお腹が空いてることもあり、目的地を見つけられず少しガッカリしてるようだ。
へそ「クッソォ〜!ドコニアンダヨ……ッテ、ン!?アッチニ続イテル車道ガアルゾ…?シカモ、山頂ヘト続イテイソウダ!」
目的地を見つけられず、悔しがるロニーコールマンのへそであったが、山へと入れる車道を発見した。しかも山頂まで行けそうだ。
へそ「本来ノ目的地トハ違ウガ、マアイイ!コッチノ車道カラ山頂マデ行クゼ。獲物モ採レソウダシナ!」
そして、ロニーコールマンのへそは車道側から山頂まで登る…いやハイキングすることに決めたのだ。
へそ「モウ、オ腹ペコペコダゼ……クゥ〜〜ッ!!我慢出来ネエッ!!レッツゴー!!」
ロニーコールマンのへそはペコペコのお腹を満たすために車道を登り始めた。すると早速、
へそ「ン?車ガ何台カ停マッテイルゾ…?アレハ道路沿イノ休憩所的ナモノカ?」
ロニーコールマンのへその視線の先に数台の車が停まっていた。山道脇の広くなっている部分で休憩所のように見える。
へそ「コレハ人間、イルナ!!」
ロニーコールマンのへそは人間がいることを確信し、目をキラキラと輝かせた。
場面は変わり、先程の休憩所に停まっている中の1台の車の運転席でスマホをいじっていた男が降りてきて、何やら辺りをキョロキョロ見回している。
男「あれ?おっかしいな……あいつまだ立ち○ョンから帰ってこないのかよ……」
男にはどうやらツレがいたようで、彼は近くにナニをしに行ってからなかなか帰ってこないようだ。
男「おーい、お前ほんとは野○ソだったんだろ?www立ち○ョンに何分かかってんだよ(笑)」
しびれを切らした男は、ツレがナニをするために入った茂み付近で笑いながら実は大きいほうだろとからかいながら呼びかける。しかし、直後に男はそこでおかしな光景を目にする。
男「ん?何だ?この木と草に着いてる紫色の液体みたいなの……」
なんと、そこの茂みにある草や木に紫色の液体がねっちょりと付着していたのだ。範囲で言えば3メートル四方程か。
男「何でこの辺りの植物だけこんな色の液体が着いてるんだ…?気味が悪いけど、まあ大きな木も多いし樹液的なやつだろう!それより、あいつは一体何処に居るんだ…」
男はツレが向かった茂み付近の植物にだけ紫色の液体が付着していることに気味悪く感じたが、大木も多いため樹液的なものだろうと納得した。
男「う〜ん、困ったなあ……とりあえずあいつの携帯に電話かけてみるか…って、そうだ、俺のスマホは車に置いてきたんだった…車に戻らないと。」
ツレ探しを再開した男は、彼に連絡を取るためポケットからスマホを出そうとするが、自分のスマホは先程車から降りる時に車内に置いてきたことを思い出した。男が車に戻ろうと歩き始めたその時、
男「あれ?なんだこの丸くてデカい物体…さっき通った時は無かった気がするんだよな…」
男が現在いる場所から車がある休憩所までは50m程しか離れていないが、その中間地点辺りにある木の幹に寄りかかるようにしてボールのような丸い物体があった。しかも、それは男が先程通った時には無かったようだ。ちなみに丸い物体のサイズは人間の背丈と変わらない程と案外大きい。
男「ったく……何だよ気持ち悪いな。」スタスタ…
男は次々と目の前に現れた丸い物体に対して明らかに気味悪さを感じたので、物体が何も動いてないことを確認すると、出来るだけ見ないように足早に横を通り過ぎて、何とか休憩所にある車へと戻ってきたのだが……
男「何なんだよ…これ」
休憩所へ戻った男が見たものは、自分の車以外の休憩所に停まっていた数台の車全ての運転席のドアが開けられており、それぞれに乗っていた人間も全員居なくなっているのだ。そして更に、
男「こ、これは…!さっきの…」
男は自分の車以外の全ての車の車体だけでなく、車内にまでねっちょりと紫色の液体が付着してるのを確認した。その液体は>> 10で男が見た液体と全く同じに違いなかった。
男「あいつだけでなく、この駐車場にいた他の車の人達も全員いなくなってるし、変な紫色の液体がそこらじゅうついてるし、一体何なんだよ…!」
男はさっきまでこの駐車場にいた自分以外の人間が全員姿を消したことに戸惑っていた。その直後、男は背後に強烈な殺気と変なむくもりを感じた。
男「なんだ…?(ゾクッ)」
男が後ろを振り向くと、
男「さっきの丸くてでかい物体がなんで俺の後ろに……?」
そう、>> 11で木の幹に寄りかかっていた丸くてでかい物体が、なぜか男の背後に移動していたのだ。次の瞬間、
丸くてでかい物体「ぬがああああああ………あ゛〜〜〜〜ん!!」
丸くてでかい物体が突如として、ものすごい咆哮とともに大口を開けたのだ。開いた口の大きさは車1台を軽々と丸呑み出来そうな程だ。
男「ひぃえええええ!うっ…ひぃ……あぁ……」
そのおぞましい光景を見た男は悲鳴を上げるが、腰を抜かしてしまい逃げることが出来ない。
丸くてでかい物体「コノ駐車場デノ最後ノゴ飯、イッタダキマース!」「あ゛ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん゛!!!」
丸くてでかい物体は更に口を大きく開け、男に近づく。その時、
男「あ、、れ…は……!」
腰を抜かして喋ることもままならない状態の男は、丸くてでかい物体の大きく開けられた口の奥、喉の辺りに迷彩柄の短パンと赤のTシャツ、そして"何らかの動物の脚の骨らしきもの"を発見した
男「あいづ、……の、服だ……」
そう、丸くてでかい物体の口の奥にあった服とズボンは間違いなく先ほどから行方不明になっていた男のツレのものであった。
丸くてでかい物体「ンマソオ〜〜〜ッ!!」ドゥルルルアァァァ〜〜
丸くてでかい物体は目の前の男を見て喜んでいる様子で、唾液を滝のように下に落としている。よほど美味しそうなご馳走なのだろう。そして、その唾液は紫色であった。
男「だ、だでかだすげて!だふけてぐれえええ!!」
男は、全てを悟った。『自分の周りの車や木に着いていた紫色の液体の正体はこのバケモノの唾液であり、自分以外の人間は全てこのバケモノの胃袋の中なのだ』と。そして、声も上手く出せないながらも必死で誰かに助けを求めた。
丸くてでかい物体「無駄ダ……オ前モスグ、オ前ノ友達ヤコノ休憩所ニイタ他ノ奴ラミタイニ、俺ノゴチソウトナルノダ!」
丸くてでかい物体は周りに助けを求める男に対し、無意味である事を忠告する。そしてやはり、男のツレや休憩所にいた他の人間達は、この丸くてでかい物体によって食べられたのだ。
男「うっ……あぁ……ひぃ……!だ、だだすけでええええ!!」
男は恐怖のあまり助けてと連呼することしか出来ないようだ。
丸くてでかい物体「フン、助ケナドイクラ求メテモ無駄ダト言ッテオルダロウガ!コレカラ死ニユク分際デゴチャゴチャウルサイ奴ダ…ソロソロ、終ワラセヨウ。」
明らかに無駄な行為をし続ける男に対し、若干苛立ちを見せる丸くてでかい物体。次の狩り場まで行くためにもここは早めに終わらせたいようだ。
男「お、お、おおおえは、おへぇはっ…!どどど、どどふなるんだ……!!」
丸くてでかい物体「フン、『俺はどうなるんだ?』ダト?決マッテルダロ!ココニイタ他ノマヌケナ連中ト同ジク、俺ニ食ワレ栄養ニナルダケダ。」
男はもはやまともに喋ることも出来ず、身体も動かせない様子でパニックになり自分はどうなるのかと叫んだ。しかし、丸くてでかい物体は男に対して自らに食べられ栄養になる運命なのだと淡々と説明した。すると、
男「あ゛ああっ、あのっ!ずみばぜん!!ちちょっどだげ、まま…っでぐれまぜぜんかっ…!?(ヒック!)」
このままではただ丸くてでかい物体の怪物に食べられるだけだとわかりきっていた男は、ダメ元で自分の目の前にいる怪物に対し、嗚咽混じりに説得しようとした。
丸くてでかい物体「何ダ?」
男「ああ、、あの゛っ!びのがじで貰うことはででて出来ませんがっ…!?」
男は決死の思いで、丸くてでかい物体に見逃してもらえないか尋ねた。
男「た、たただ頼みまずっ!どうふぁ命だげばっ…!!」
丸くてでかい物体「ホウ、命ダケハ助ケテクレト?ウ〜厶……トリアエズ、オマエノ望ム事ハワカッタ!」
すると、丸くてでかい物体は意外な事に男の発言に理解を示し、先程まで男を捕食するために大きく開けていた口を閉じた。
丸くてでかい物体「トリアエズオマエヲ食ウノハヨシテヤルカラ、落チ着ケ。」
男「………ホッ」
丸くてでかい物体は男の必死の頼みを聞き入れ、とりあえず男を捕食するのは中止し、同時に恐怖でパニック状態となっていた男に落ち着くように言った。男はそれを聞いてか少しホッとした。
丸くてでかい物体「フウ、少シハ落チ着イタヨウダナ。正直ヨォ、数イル人間ノ中デ、オマエ1人ヲ食エナカッタカラトイッテ、ソコマデ問題デハナイカラナ、ソコマデ必死ニオ願イサレチャアナ……今回ハ見逃シテヤッテモイイト思ッタンダ。」
男が徐々に冷静になった様子を見た丸くてでかい物体はさらに言葉を続けた。たかが男1人を捕食出来なかったからといってそこまで問題ではないと考えたため、命乞いしてくる男を捕食せず助けたようだ。また、今回の舞台が登山も気軽に出来るような山なので他にも美味そうな人間はそこそこいるだろうと思ったのも理由だろう。
男「とと、と言う…事は、俺は、助かったんですかか…っ?」
一連の発言を聞いた男は丸くてでかい物体に尋ねた。
丸くてでかい物体「アア、ソノ認識デオーケーダ。オマエノソバニイタ他ノ奴ラハ食ッチマッタカラアレダガ、怖ガラセテ悪カッタナ。」
丸くてでかい物体は男に謝罪の意を示した。人間を捕食しまくる怪物とは思えない態度である。
男「あああ、ありがどうございますすっ!」
男はまだどもり気味だが、自分を見逃してくれた丸くてでかい物体、いや怪物に対してお礼をした。
丸くてでかい物体「フン、礼ナドハイラヌ。元々ハ俺ガオマエヲ食オウトシテ怖ガラセテシマッタカラナ。」
男「は、ははは……い、いえ!」
男は先程まで自分を捕食しようとした怪物を目の前にしているとは思えない安堵の表情だ。自分が助かった事に喜ぶあまり、怪物に食われたツレの事などはとっくに頭にないようである。典型的な喉元過ぎれば熱さを忘れる性格なようだ。
丸くてでかい物体「マア、ソウ言ウ事ダ。俺ハモウ行クカラ、ジャアナ。気ヲツケテ帰レヨ。」
丸くてでかい物体は男に別れの挨拶をし、気をつけて帰宅するよう声をかけ、その場をあとにしようとした。
男「ほ、ほんとにありがとうございました!じゃあ、自分はこれで失礼します。」
丸くてでかい物体「オゥヨ。」
この場をあとにしようとする丸くてでかい物体に、男は頭を下げお礼を言ってから自分の車に戻ったが、次の瞬間急に態度を一変させた。おそらく、怪物から解放された上に車内という空間に守られているという安心感ゆえだろう。
男「ふぅ、死ぬかと思ったな〜ったく、、なんだったんだよあいつ…気持ちわりぃバケモノだったなぁ。くっそ怖かったけど、あんな演技するだけで逃してくれるとは結構チョロい奴だなwwはっはははww」
男は解放されたのをいいことに車内でこれでもかというほどイキり散らしている。友達を怪物に食べられている事には変わりないが、そんなことはどうでもいいのだろう。典型的な自己中野郎である。
男「さあさあ、帰るかぁ〜ww」
浮かれた男は帰ろうとエンジンをかけ、出発した。
丸くてでかい物体「オッ、サッキノアイツモ普通ニ運転シテ帰レルミタイダシ、サア俺ハ次ノゴ飯ヲ探シニイクカ。サッキアイツ以外ノ数人ハ食ベタケド、マダオ腹スイテル。」
丸くてでかい物体は後ろを振り向き、帰る男を見送りながら、次の獲物を探しに行くことを決めた。
丸くてでかい物体「ウゥ……」
しかし、その直後、丸くてでかい物体が立ち止まって唸り始めた。何なのだろうか?
丸くてでかい物体「ウンチ、出ソウ……」
なんと、立ち止まった理由は糞が出そうだからなようだ。先程食べた数人に加え、この山にたどり着くまでにつまみ食いした人間分の栄養を吸収し、排泄物が作られ、そして排出するタイミングだったのだ。
丸くてでかい物体「我慢デキネエッ…ココデ、出シテイコウ!」コォォォ…!
どうやらそれを我慢は出来ないようで、ここで出していくことに決めた。と同時に丸くてでかい物体の身体の後ろ側の穴が大きく開いた。穴の直径は1mはゆうに超える。
モリッ
そして、開いた穴から1m程の茶色の楕円形のものが半分ほど顔を出した。これが丸くてでかい物体の糞だ。
丸くてでかい物体「ウ゛ゥ゛ア゛ァーーーッ!!!」バシュウウウーン!!
大きい唸り声を上げた丸くてでかい物体から糞がものすごいスピードで後方に発射された。新幹線並のスピードだ。
場面は変わり、>> 21で車を走らせた男はちょうど山を下っていた。
男「助かったのはいいけど、マジで今日は散々な目に合ったな〜、バケモンはいるわそもそも山自体に大した魅力もねえわで、こんな山二度と来るかってんだ。」
運転中の男は助かった安堵と同時に、恐怖を植え付ける元となったこの山と丸くてでかい物体に愚痴をこぼした。
男「まあいいや、もう今日の事は忘れよう。それよりまだ昼の2時か、命拾いした記念にちょっと豪華な飯でも食いてえな、なんつってw」
だが、嫌な思い出に対する恨み節ばかり言ってても仕方がないと思った男は今日の事はもう忘れようと決心した。そして、予想以上にまだ早い時間だったのと、助かった嬉しさなのか少し高価なご飯でも食べたいと口にした。
男「今から飯行くなら、1人で行くのもあれだし、誰か誘おうかな?」
ただ、1人でご飯に行っても面白くないと考えた男は、友達か誰かを誘おうとしていた。つい数十分前まで一緒に車に乗ってドライブしていたツレは怪物に食べられ、自身も一時は怪物に襲われかけた人間とは思えない呑気さだ。既に怪物に食べられたツレの事など頭の片隅にも無いのだろう。
男「よし!ドリーに連絡してみよう。あいつ確か今日は休みだったはず。」
男は友達に連絡する事にした。どうやら男はその友達の事を"ドリー"というあだ名で呼んでいるようだ。
男「とりあえず、あそこに車停めて電話するか〜」
男は100メートル程先にある、周りより広くなっている路肩部分に車を一旦駐車してそこで友達のドリーに電話する事にした。
男「あいつの連絡先はっと……あった。……………もしもし、ドリー?俺だけど。」
ドリー「おお、久しぶりじゃないか、どうしたんだ?」
男「ドリー今日休みだったよな?今からちょっと豪華なとこ飯行こうと思ってるんだけど、よかったらお前も一緒に行かないかと思って電話したのよ。」
ドリー「ああ、休みだよ。え?豪華な飯?そりゃ楽しみだ、もちろん俺も行きたいよ。それにしてもいきなりそんな高価な店に誘うしお前えらく機嫌良さそうだな、パチンコでも勝ったのか?w」
男は車を路肩に停め、ドリーへ電話した。するとすぐにドリーに繋がり、彼も男の誘いに対して乗り気なようだ。ドリーはやたら上機嫌な男に対してパチンコでも勝ったのかと笑いながら言った。
男「ははは、そんなんじゃないよwたまにはそういう良い店に食べに行くのもいいかなって思っただけだよ。」
ドリー「なるほどな。わかった、じゃあ一緒に行こう!とりあえず時間は何時くらいに合流する?俺はいつでも大丈夫だけど、お前は何時からが良いとかある?」
男は、パチンコ勝っただとか関係なく、たまには豪華な店に食べにいくのもいいと思っただけと言った。それに対してドリーもわかったと返事をし、いつぐらいの時間が都合が良いか男に尋ねた。
男「う〜ん、そうだなぁ…え〜っと、、、ん?」
男は少し悩みながら、何気なく車のサイドミラーを見た。すると、
男「なんだ……あの黒いやつ…」
後方遠くから黒い塊状のものが男の車の方向に飛んで来ているのが見えた。
ドリー「おい、どうかしたのか?」
男「あぁ…う、うわあああぁ!」
ズガアアアアアァァァン!!!!
男からの言葉が急に止まったことに心配したドリーは男に声をかけた。次の瞬間、男の悲鳴が聞こえたと同時に何かがぶつかって壊れるような大きな音が響いた。
ドリー「なんだ今の音?おい!大丈夫なのか、しっかりしろ!!おいっ!!」
男「あ……あぅ………」
男の悲鳴とその大きな音はドリーの電話にも響いてくるほどだった。明らかに男に何か起きたと確信したドリーは男に電話越しに繰り返し話しかける。すると、男はまるで死に際のようなか細い声を出した。
ドリー「どうしたんだ!?大丈夫か!?」
男「…」
しかし、それを最後に男の声はしなくなった。
ドリー「た、大変だ!警察に連絡しないと…くっそ、でもあいつがどこにいるか俺にはわからないんだった!どうすればいいんだ…!」
男からの声がしなくなった事に明らかにヤバさを感じたドリーは警察に連絡しようとするが、男が今いる場所がどこかわからないことを思い出した。
ドリー「くそ、もう一度あいつに電話かけてみよう!」
プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…
ドリー「出ない…あいつどうなったんだよ!?ちくしょー!!」
そこで、ドリーはとりあえずもう一度男に電話をかけてみるが、いくら待っても男が電話に出る事はなかった。
場面は変わり、呼人山の山道では、一台の車が山道脇の擁壁にぶつかった状態で原型が無い程に潰れており、しかも炎上していた。そう、この車は男が乗っていたものだ。
男「…」
運転席の男はちっとも動かない。おそらく○亡しているものと思われる。そして、ボロボロに壊れて炎上する男の車のすぐ側に1m以上はある黒い物体があった。その物体はパッと見は落石により落ちた石やコンクリートの塊のようにも見えるが、もっと柔らかそうに見える。何より、ハエが大量に集っていたのだ。