あんみつ
General
2020/06/01 (月) 00:16:31
アポかどはにやりと笑った。
アポかど「──これも想定の範疇だ」
そう、生きるということは用心するということ。
リュックからかねて用意していたガスマスクを取り出し装着した。
アポかど「僕は常にあらゆる事態を想定して、その対策を練っている──僕が閉じ込められたということは、他のプレイヤーも1人はここにいるはずだ」
さらにリュックから、ガス爆弾が取り出す。その中身は、悪名高い神経ガス──サリンである。
これを駅構内に充満させておけば、確実に何人かのプレイヤーを脱落させることができる。その間、ガスマスクをつけた僕はじっとしているだけでいい。あとは当初の目論見通り、他のプレイヤーの数が減るのを待つだけでいい──
「お、アポかどさんじゃん」
アポかど「──!?」
暗闇の中、何者かがこちらに近づいてくる──その男は銃を発砲すると、アポかどの顔面──ガスマスクを貫通して右眼を貫いた。
アポかど「があぁぁっ!──お、お前は…オサボリマンか!」
マスクを脱ぎ捨て、苦痛に顔を歪ませながら右眼を抑えるアポかどに対し、オサボリマンは苦笑いを浮かべて肩をすくめた。
オサボリマン「いや〜、さすがにサリン持ってるとは思わなかったなあ」
アポかど「なぜ…僕がここにいるって──」
オサボリマン「…ああ。サーモグラフィーで人々の荷物を熱探知していたのさ。特に、用心深い君ならば、有事の事態に備えて兵器や爆発物を持っていてもおかしくないって思ってね」
アポかど「ッ──」
ふところの爆弾に手を伸ばす間もなく、アポかどは射殺された。
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