あんみつ
General
2020/05/17 (日) 03:55:09
あんみつの彼女は紐で手足を縛られ、廃工場のコンクリートの上に横たわっていた。
それを見下ろすのは男──目玉が異様に飛び出しており、でこか爬虫類を連想させるような、パーカー姿の青年である。
すいぴら「ふーん、この娘があんみつの彼女ね」
すいぴら青年は右手で少女の顎を掴み、顔をまじまじと覗き見る。
少女は、そのギョロりとした目を見た途端に寒気が走り、じたばたと暴れだした。
あんみつ彼女「やめて、離して!」
木偶の坊「オラァ!おとなしくしろゴラ!」
傍らにいた大男は、抵抗する少女の腹部を容赦なく蹴り飛ばす。
あんみつ彼女「げ、げほっ……」
すいぴら「あー、あまり跡は遺すんじゃねぇぞ…。売り物にならなくなっちまうからよお」
そこへ、工場の外にミライーツが停まり、運転手の金髪の若者は車を降りて一同に駆け寄った。
オサボリマン「ピラフの兄貴ぃ、車の用意ができましたで!」
すいぴら「よし…予定どおり例の場所に運べ。」
木偶の坊とオサボリマンは2人がかりで少女を抱えると、ミライーツのトランクに押し込んだ。
その様子を見るすいぴらの眼には、必死に抵抗する女ではなく、その彼氏の顔が映っていた。
すいぴら「あんみつ…これでてめえは終わりだァ…」
ニチャアと音を立てて薄気味悪い笑みを浮かべると、夜の街に青年の歓笑が響き渡った。
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