あんみつ
General
2019/08/18 (日) 18:39:00
足を踏み出したその瞬間 殺意が上から降ってきた。
スティーブ「...ッ!」
咄嗟に、スティーブは後ろへ跳び退く。反応が僅か数秒でも遅れていれば、今頃八つ裂きにされていただろう。
暗闇の中、天井から落ちてきたのは、青白い肌をした異形の巨人。
なんだこいつは…人間なのか? いや、とてもそうは思えない。
これだけのクリーチャー感がありながら、なぜだか存在感を感じない。目の前にいるというのに、洞窟の闇に溶け込んでいる。
そしてそうでありながら、強風のように殺意だけが伝わってくる。
その怪物を前にして、老人は憎むような、憐れむような、冷たい視線を送った。
メガゴルダック「この吐き気を催すような臭い…ああ、アクティブか」
スティーブ「爺さん、こいつと面識が?」
メガゴルダック「ああ。70年前、勇者あんみつを裏切ろうとして返り討ちに遭った挙句、内通していた敵にも切り捨てられた哀れな男だ」
メガゴルダック「とっくに死んでるもんだと思ってたが…まさか、こんな姿に…」
奴との思い出はロクなものではなかったし、殺してやろうかとも思っていた。しかし、あのぺらぺらとうるさかった道化が、物言わぬ木偶と成り果てるとは...正直心が痛む。
死なせてやるのがせめてもの情けか。一瞬でケリをつけてやろうとしたそのとき
アクティブ『此処ハ...何処ダ...』
アクティブ『俺ハ...誰ダ...』
馬鹿な...喋った、だと? 彷徨う死霊は何度か見たことがあるが、理性が僅かでも残っているモノなど...
アクティブ『餡蜜ハ...何処ダ...』
アクティブの潰れた両目から、赤黒い光が漏れる。
アクティブ『貴様...餡蜜カァッッ!!』
メガゴルダック「っ、走れ!!」
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