医者のシータによると、柿崎は心臓をナイフで刺されたこと、アクティブは飛んできた瓦礫に頭を打ったことが原因で、二人とも即死だったのようだ。
一分もしない内に、三人もの尊い命が失われたわけだが、百の戦場を渡り歩いてきた戦士オノノにとっては、“よくあること”である。
オノノ「あらら、この壁は投擲手榴弾で壊されたっぽいね。」
適当なことを言いながら、すでに作戦を──特に、いざというときの逃亡手段について考えていた。
そんなオノノとは対照的に、シータは悲痛な表情を浮かべている。
シータ「まさか、“十人の危険人物”とは、かつてざわざわにいた者のこと...」
全員が倒れているアポカドに注目したが、「そうだとして、それが何だっていうの?」と、少女ボンが首をかしげた。
ボン「あの事件を生き延びた私たちと違って、それよりも前に、怖くて逃げ出したザコばかりだよ。私たちが力を合わせれば、余裕でしょ。」
その通り。人数差はあるが、さっきのように奇襲でもされない限り、バトルではなく、“一方的な鬼ごっこ”になるはずだ。
オノノ「さあ、そうと決まれば、早くこのホテルから──
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