魔人
魔王の血(力)の一部を分け与えられ、個体としてのポテンシャルを著しく強化された存在*1。魔王に従う部下であり、魔物達の上に立つ将でもある。有史以来、長らく魔人たちと魔王こそが大陸の支配層であったが、魔王ガイの命よって大陸東側を人類に明け渡してより現在にいたるまで、大陸西部の魔人界とよばれる領域をもっぱらの根城としている。
魔王にとっての目であり、手であり、口であり、そして毒でもある彼らは、魔王に絶対服従であること以外は基本的に自由で、何者にも束縛されない。彼らの多くが人間を憎み、見下し、あまりにも気まぐれに殺戮をするため、人類は毎朝、陽の光を再び見れたことに感謝するほどであった。先代魔王ガイの意向によって無軌道な暴虐こそ減ったものの、ときおり自然災害のように人類領に侵攻しては多大なる損害を生み出していった。現在は二派に分かれて魔人界(魔物の世界)で内乱中であるが、使徒オーロラによれば、これが収束するといよいよ人類圏に魔人が攻めてくるのではないかと見られている。
魔人になると本来持っている力が極限まで引き出されて比べものにならないくらい強くなり、また魔王同様無敵結界が発現する。人類にはこの世にたった二振りしかない魔剣・聖刀を用いるほかに対策手段は基本的になく*2、ひとたび魔人が出没したら通りすぎてもらうことを祈るしかない。もともと魔人には備わっていなかった能力だったが、魔王スラルがプランナーとの謁見をつうじて魔王の無敵性を確約してもらい、その力が魔王の血を介して魔人にも与えられ無敵結界となった。ちなみに、魔人化の際には当代魔王の意向や対象者の精神の在りようが外見に影響する場合もある(男性化したケッセルリンク、半身が人外と化したガイ、変すぎる衣装が出現した健太郎など)。
魔人になる方法は二通りで、魔王から直接血を授けられて魔人となるか、魔血魂を飲み込んで元の魔人の精神を上書きする。――いずれの方法にせよ、魔王の力を分け与えられて魔人化が為されるため、魔人の総数にはおのずと限界があり、同時に最大24人までが存在可能。元が魔王の力であるため魔王の命令には縛られ、決して逆らえない。*3。大陸全土で暴れまわっていた魔人たちがおとなしく引っ込んだのも、当時の魔王ガイが魔人たちに命令したためと考えられる。
魔王は約1000年の限られた寿命しか持てないが、配下である魔人については寿命が存在しない。つまり殺されない限り永遠に生き続けることができる。とはいえ不死ではないので、何らかの原因で死亡することがあり、そうなると肉体は消滅して魔王の血の結晶である「魔血魂」という、いわば一種の休眠状態になる。適正のある宿主が見つかればその肉体を乗っとって復活することが出来るが、宿主の精神力が魔人よりも強いと、逆に魔血魂を上書きされて消滅し、宿主があらたな魔人となってしまう。魔血魂が魔王に吸収されると魂も消滅する。これらの魂の消滅が魔人にとっての完全な死になる。
女性の魔人は母胎としての機能を失うため、懐妊することができない。男性の魔人は人間や他の生物を妊娠させられるが成功率が低く、魔人ザビエルが娘・黒姫を儲けたときには、彼女一人が産声をあげるまでに数百人もの女性が犯し殺された。魔王ガイもまたホーネットを儲けるときに多くの女性を犠牲にしたとされている。*4
魔人も自分の血を分け与えて専属のしもべである使徒を作り出すことが出来る。魔王と違って作成数に限界はないが、多く作るほどに自分と使徒の力は弱まり、支配力も低下する。
かっこい・・・