みんポケ！

雑貨屋「クク、実はここまでは計画通り、それは世界の機械人形(マキナ)」

本来の機械人形(マキナ)の詠唱は『僕はこの切れた発条を回そう、だから一緒に行こう、さあ、手を出して』だ。だがその詠唱を何故『ここは世界の』にしたかは……まあもう少ししたら分かる。

アポかど「ふん、Lv2の魔法を使うとは万策尽きたか?悪足掻きか?諦めて遅刻しろ、雑貨屋。」

雑貨屋「ハッ、そんな余裕綽々な態度をとれるのもこの詠唱が終わるまでだ!これは運命よりいでし物(エクス)!」

いでし物(エクス)の魔法。これ自体に奴にダメージを与える手段はない、そもそもいでし物(エクス)は召喚魔法の準備に使うための魔法だ。だが直前に唱えた魔法、彫刻(オリジナルと機械人形(マキナ)の二つと俺の能力、汚れた女王(ダーティークイーン)が揃うと話は違う。俺の能力、汚れた女王(ダーティークイーン)の力が対象を勘違いさせる力、そしてこの対象は何も生物に限定したものではない。俺はこれを彫刻(オリジナル)と機械人形(マキナ)、それにいでし物(エクス)とそれらの詠唱に使った。詠唱は『いつかどこかの』と『それは世界の』に『これは運命より』ではなく『いつかどこかにあったもの、それは運命の世界から』だと勘違いさせた。そして魔法はいでし原初の機械(オリジナル・エクス・マキナ)というLv10の魔法だと勘違いさせることに成功した。
流石にLv10の魔法だと勘違いさせるのは大変だったが俺のあと2つある能力の後押しのおかげでなんとか勘違いさせれた。
そしてこのいでし原初の機械(オリジナル・エクス・マキナ)だがLv9未満の魔法を二つ同時に発動するという魔法だ。そして俺はLv8解除(リセット)とLv9逆行(リバース)を選択した。解除(リセット)はその名の通り今現在発動している全ての自分にとって不利な状態変化―――今で言うと隔絶世界(エラーゾーン)とかだ―――を解除する魔法、そして逆行(リバース)の能力は時間を巻き戻す魔法だ。と言っても色々制限があるのだがまあ遅刻をなかったことぐらいにはできる。そしてこれを使えば巻き戻る前の時間の事を知っているのは俺だけになる、つまりアポかどが俺を遅刻したという事実も忘れるというわけだ。これは何と便利な魔法だろう。まあ色々と制限がキツイからあまり使われない魔法なのだが。

さあ、時間が巻き戻る。最初の魔法で決着がついていたら楽だったのにまあ仕方のない事だ。