雷霆を鍛えし者
zottei
2016/10/19 (水) 22:14:56
画鋲「……はぁ。なんであんなことしたんだろ」
画鋲は、一人の学生を助けたあの日を思い出す。
あのとき、画鋲は三人のうちの手前にいた一人に殴りかかると同時に学生にむけて逃げろと叫んだ。学生は画鋲に促されたからなのか、それともようやく逃げだせるチャンスを見つけたからなのか、脱兎のごとく駆けて、逃げていった。
あれから、画鋲だけがひどい目に合っている。
画鋲は正直なところ、その学生からせめて助けたお礼くらいはしてもらいたいと思っていた。そして、その時に絡まれたのは自分ではなくその学生だというのに、なぜ自分だけがひどい目に合っているのかという理不尽に憤っていた。それくらい弱っていた。
要は、後になって自分のしたことに後悔したのだ。
通報 ...