雑火屋
Colt_M1877
2016/10/23 (日) 14:56:35
アポかど「あの、さ」
アズマオウ「……なんだよ」
夜の公園のボロいベンチに、アズマオウは布団に被さって寝ていた。
彼には帰る家がない。いわゆるホームレスである。
アポかど「あれ、えぇ?お前、さ」
そんなホームレスの前に立つ、長髪で気持ち悪い笑みを浮かべる男。両手に出刃包丁を握るその奇妙な姿は世間一般で言う殺人鬼、そうでなければ一流の料理人といったところか。
アズマオウ「……なんなんだ」
アポかど「お前さ、ベンチに布団敷いて寝てるとかさ、もしかしてホームレスの方?」
アズマオウ「そうだが、何が悪い」
暫定殺人鬼の聞き飽きた煽り文句に半ギレで開き直るホームレス。事実ではあるが改めて言われると心が痛い。
アポかど「え、ホームレス!?まじホームレス!?ハハハハ!何が悪い、何が悪いってさ、そりゃ悪いに決まってるでしょ!く、くくく、だって、働いてないとかあれじゃん!ケンポーのキンローノギムに反してるっつーか!?え?そんな、最低限の義務すら果たしてない無能っつーか!?え!?」
いきなり笑い出す暫定殺人鬼。何も言い返さなくて悲しい。余りの酷い言い様にアズマオウは静かにブチギレる。
アズマオウ「……黙れ」
アポかど「え!?何!?おこ?おこですか!?貴方が働けばいいだけの話ですよね!?えぇ!?」
アズマオウ「黙れ!!!」
アポかど「え!?そ、其処まで怒る必要ないじゃん……」
怒りを抑えきれず弾け飛ぶ怒号。
ここまで大声出されるとは予想してなかったのか、アポかどは驚いて呆然としている。
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