みんポケ!

【SS】クソコテ達の戯れ合い / 2

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雑火屋 2017/06/02 (金) 21:20:03 修正

「……ぬ、ふぅ…………」

 居住区の隅に広がる広大な農地。そこで俺、アクティブは、農作業に精を出していた。

 エイリアンの侵攻により居住区内での生活を余儀なくされ、保存食料もそろそろ節約を迫られる量にまで減ってきたこの頃において、唯一の食料調達手段である野菜栽培を一人でせっせと行う俺は、生き残った全ざわざわ民の命を握っていると言っても過言ではない。ここの住民は揃いも揃って無能だらけな為、この俺がいなくなれば餓死は不可避だろう。
 しかし、奴ら戦闘員はたかが農家と侮って俺を日々馬鹿にしてくる。大自然への感謝というものがないのだろうか?今に見てろ、保存食料が完全になくなったその時、あいつらは俺に向かって泣きながら謝るんだ。どうかこの愚かな私達に野菜を恵んでください、と。くっくっく、奴らの哀れな様が目に浮かぶぜ!さあ休憩終わり、その為にも今は頑張らなくっちゃ──────
 ぴしゃり。
 地面に赤い血が飛び散った。
 足元を見ると、俺の腕が、桑を握っていた俺の腕が、無残に落ちていた。

「…………え?」

「人の命というものは。その貪欲さとは裏腹に。こうして剣を振るだけで。いとも容易く落ちて逝く」

 機械のような、だけど確かに意思を持った声が、貴重な作物を踏み潰して畑に佇んでいた。

「──────そう、ヒレカツのように。」

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