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Tears_Ruin
2017/11/06 (月) 16:14:29
「他に生き残りはいないのか?」
「さあな、みんないざこざの間に逃げていくか逃げ切れず死ぬかだ。それも纏めて逃げずにバラバラに。僕らに協調性とかないからねえ。行く宛もない、作戦もない、数少ない仲間とはぐれ、一人、二人で逃げ出すなんざ非合理的というよりただの馬鹿だろう。バケモノ共に囲まれて勝ち目なんかまるでないのにこんなところに引き籠ってる僕も同じくらいに非合理な馬鹿だ。結局、足掻くか死ぬかしか選択肢のないこの状況にそもそも最善なんざ存在しない。何をしようが悪手なのさ、あははははー」
「舌が回るな」
対抗して俺も冗長な受け答えをするべきなのかもしれないが、特に考えつかなかったので適当に返す。
「ハ、所詮僕は文字を綴るしか能のない人形さ。それすらできなきゃただのガラクタ、バラバラにされて焼却炉送りだ。そもそもとっくに捨てられてるんだけど、ただの人間より人間になりたい人形の方が余程ロマンチックだと思えばまあ」
「は?」
唐突に意味不明なことを語り始めやがった。難解な例えを使いたい年頃なのか、はたまた脳内設定に夢を見る年頃か。つくづくどうでもいいがせめて伝わる言葉を用いて欲しい。
「……ま、要するに僕達は必死に抗うしかないってことさ。つーわけでさっさと此処を出るぞ野菜農家。向かうは奴らの本拠地だ。行き着く先は救世か、若しくはただの急逝か。死ぬ為の道は無限にあるが、生きる為の道は最早これしかないのだから」
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