雑火屋
Colt_M1877
2017/06/11 (日) 15:49:08
「はっ、ここは!?」
目に映ったのは見覚えのある天井。
居住区内の医療テントだ。
「ようやく目覚めたか。丸一日のんびり寝てたんだぞ、お前は」
こっちを向きもせず、通信の出来ないパソコンを睨みながら無造作にキーボードを叩いている、いけ好かない白衣姿の男。萩原である。
「そんなに長い間気絶してたのか……ところで、お前は何をしてるんだ?」
「何をしてるって、何もやれることがないんだよ」
「お前が無能だって話か?」
「違う、外を見てみな」
言われるがままに外を眺める。
荒れ果てた大地。転がる死体。
徘徊する無数のエイリアン。
黒い煙が立ち、ゴミが散らばり、どうしようもない絶望が漂う。
「ここ、居住区じゃなかったっけ」
「残念だが、お前が寝てるうちに全部侵略されちまったんだよ。このテントだけは僕の異能、『
実在嘯く不可視の組織。
記憶が正しければ姿の見えない兵隊を使役する能力だった筈だ。
認識はできないが外でエイリアンを相手に戦っているのだろう。
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