雑火屋
Colt_M1877
2017/06/04 (日) 11:42:54
「なに?」
俺の、俺じゃない奴の言葉に気付いたヒレカツあは、俺に向けて刀を向けた。
「第二世界、移行。
時間座標軸を一分ほど前に設定」
世界が瞬く間に変化した。
眼に映るのはついさっきの光景。雷霆の背後から短刀が発射され、首を穿つ数秒前の光景。叫ぼうとするが声が出ない。代わりに自分と全く同じ声が言う。
「座標移動、72m北に」
その刹那、視界がまた変化した。
足元は畑で、目の前には刀が、自分へ向けて高速で飛んできている。
その光景とさっき言い放たれた言葉を見るに。雷霆の背後に転移した、と言うことなのか。
「元第一世界、デリート。第二世界を第一世界に設定。私の仕事はこれで終わりだ、あとはなんとかできるだろう?もう一人の私よ」
また俺が俺の考えてないことを言う。そんなことはどうだっていい、今俺の出来ることは、雷霆を助けることだけ────!
ぐしゃっ、飛んできた短刀を俺は素手で弾いた。
「いだあああぁぁぁぁ……」
嘘だ。実際は弾けてなかった。俺は雷霆ほど戦闘能力が高いわけじゃない。
刀は俺の右腕を刎ね飛ばし、勢いを殺して腹へ刺さった。まあいい、どうせすぐ再生するし……あれ?何故か再生されない。いや、再生しているのだがいつもよりかなり遅い。ちょ、このままじゃ俺痛過ぎて死んじゃうし、あ、段々気が遠くなって………
「アクティブ!?お前いつの間に、大丈夫か!?アクティブ────!」
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