~ケーニッヒ帝城・皇帝の部屋~
アルデバラン「アルトよ。帝都西の森にドラゴンが住み着いたようなのだ」
アルト「なんと!?あの天災に等しいドラゴンが」
アルデバラン「そうだ。《角の王》討伐直後で悪いのだが、即座にソレを追い払ってもらいたい」
アルト「全くだ。人使いの荒い」
アルデバラン「戦を控えているのだ。懸念材料は残しておきたくない。その代わり、お前には富も女も好きなだけくれてやる」
アルト「それなら文句は言えないな。言っておくが、僕はドラゴンだから動いてやっただけだからな」
アルデバラン「勿論だ。雑兵ではドラゴンを倒すのに被る被害が大きいからな。……それで、出来ればでいいのだが、ドラゴンは殺さず北の方に逃げるように追い払ってもらいたい。それもなるべく傷付けて気が立つようにな」
アルト「ツヴァイ王国に傷付いたドラゴンを送りつけ、凶暴なドラゴンの対処で疲弊させるつもりか。なんとも狡猾なお方だ。まぁ、いい。この国が豊かになることは、僕の生活も潤沢になるということ。むしろ僕には良い方に働く」
アルデバラン「実にありがたい」
アルデバラン(まぁ、用が済んだ時点で貴様には死んでもらうのだがな。お前は邪魔だ)
アルト(どうせ、利用し終わったら殺すつもりなのだろう。馬鹿め。僕としては逆。お前は英雄たる僕に傀儡にされる未来しかないんだよ)
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