雷霆を鍛えし者
zottei
2016/08/04 (木) 00:27:02
アルト(おかしいな。魔力感知に何も引っ掛からなかったぞ)
今でこそ感知しているが、アルトが気付くまで目の前の男からは一切の気配を感じなかった。
しかし、ボロ布の外套と服とボロボロの革鎧を身にまとっただけの見るからにみすぼらしい服装をしている上に、猫背に曲がった姿勢とやる気なさげな目に生えっぱなしの無精髭が男を頼りなさげにしていた。
革鎧を付けてるということは傭兵かなにかなのだろうが、その覇気を感じさせぬ雰囲気が彼を一般人以下の存在たらしめていた。
アルトは、警戒に値するどころか興味を持つ必要すらないと断じる。
アルト「いきなり話しかけられたからびっくりしたね。じゃ、行こうか、皆?」
美女・美少女「「「はーい!」」」
美女A「それにしても、こんな汚ならしい人にアルト様が話しかけるなんて、なんて罪深きお人」
美少女A「平民風情が話しかけるな!」
美女B「このお方をどういうお方か知っておいて、なんて身の程知らずなの!?」
美少女B「気持ち悪い。死ね」
美女C「二度と目の前に現れるな、下郎」
美少女C「わかったら早く道をどけなさい」
???「酷い言われようだな。……それにしても、どいつもこいつも帝国の貴族の令嬢か。なるほど、なかなかの粒揃いだな。ヒッヒッヒ」
アルト「おい、クズめ。これ以上、その汚ない目で僕の女達を見るんじゃない」
美女・美少女「「「アルト様……ステキ♡」」」
???「へいへい。俺みたいなやつには器量の良い女なんて一生縁がないなんてわかりきってるっつーの」
アルト「なんだ。弁えてるじゃないか」
???「まぁそんなことはどうでもいい。今日も早く仕事を終わらせないとな」
そう言って、男は剣を抜いた。
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