「ひぃいいいいいいい」
俺の右腕に無数の蝶が纏わりついた、俺は情けない悲鳴を上げ振り払ったが蝶はどんどん増えていくばかりだった。
「ハハハ、ここまで取り乱すなんてほんと、滑稽だね、チャップリンでもこんな事が出来ないよ、ハハ」
鬱モナーも追いついたらしく俺から10mほど離れた場所にいた。
「バタフライの自爆自体ではダメージを受けないけど飛んでくるものでは受けるからね、離れているんだ。じゃあ名も知らないスタンド使いさん、ばいばーい」
死ぬ瞬間は時間がゆっくり進むように感じると聞いたがそれは本当らしい、なぜなら俺は体感で3分経ってもまだ生きているからだ。思えば恥の多い生涯だったな、未熟児として生まれてきてから今までバカばっかりやって周りに迷惑をかけてばっかりだった。両親はそこまで気にしないが祖父母や叔父叔母には多大な苦労をかけたもんだ。人生50年とはよく言ったもんだが俺はまだ24歳、四捨五入して二十歳だ。まだまだ人生もこれからだっていうのになぁ……………………おかしいな?いつになったら俺は死ぬんだ?ん?俺の方を見て鬱モナーが驚いてやがる。熊でも出たのか?そう思い俺は俺の背後を見ると………
映画泥棒がいた。
いや、頭は前後二つのテレビだし体中に本のページらしきものがへばり付いている。明らかに変人…いや変態だ。よく見ると俺はそいつに抱きかかえられていた。
「お前誰だ?助けてくれたのかもしれんが俺には変態の知り合いはいないんだが?」
俺はそういうと変態の頭のテレビが回転し後ろにあったテレビが前に来た。そこにはマネキンみたいな顔が映っていた。
「オイオイ、イママデズットイッショニイタンダゼ?オレタチハヨォ、ナノニ変態ッテナンダヨ変態ッテ、オレダッテスキデコンナカッコウシテルワケジャアネェンダゼ?」
マネキンの口が動きテレビからどこかで聞いたことのあるような声が聞こえてきた。
「はぁ?こんなのと四六時中ずっと一緒にいたなんて聞くと気が狂うぜ…冗談は見た目だけにしてくれ」
「マァチカクシテナイダロウカラナ、オレガズットオマエノチカクニイタッテノモシンジラレネェダロウヨ、フツウナラナ」
口喧嘩の様な事をしていると鬱モナーが口出ししてきた。
「それが君のスタンドかい?都合よく発現するなんてとんだご都合主義だ。だけど僕のバタフライにはどんなスタンドも勝てないよ!」
無数のバタフライが襲い掛かる。が、変態が前に出て全てを叩き落していた。
「は?お前なんでそれに触れるんだよ?」
「オイオイ、シラナイノカ?スタンドハスタンドデシカサワレズスタンドツカイシカミレナイッテコトヲヨォ…」
「いや、知らねぇよ。だけどアイツに勝てんのか?」
「アア、カテルサ、ナンセヤツハモウオレノトリコダカラナ」