「は?え?なんで?」
俺は突然の出来事にちぎれた左腕を右腕で拾いくっつけようと四苦八苦した、それほど混乱していた。
が、そこに笑いながら奥からやってくる人影がいた。
「ハハハハハハハハハ、これは傑作だ、実に傑作だよ!こんなに面白い喜劇は見たことが無い!スタンドに無警戒な上にこの無様な姿!僕は見たことが無いよ!」
そう高校生ほどの恰好をした男は言った。彼の背後には無数の黒い蝶がいた。数百匹はいそうだ。
「おい、お前が俺の左腕をこんなことにしたのか?それにスタンドってなんだよ!なによりお前は誰なんだよ!」
俺は自分が思ったより冷静に怒鳴った、自分でも言ってる意味がよく分からないがまあ、それは置いておこう。
「僕かい?僕は鬱モナー、それとスタンドってのはね、説明するのはちょっと難しいんだけど一言で言うなら超能力の具現化かな?この屍島にいるのなら恐らく君にもある、まあまだ発現してみないみたいだけどね。そしてこの蝶が僕のスタンドで名前はまんまだけど『バタフライ』、能力は教えないよ。まあさっきので気づいただろうけどね。」
彼―――鬱モナー―――はバタフライを弄びつつそう答えた。
「…………」
俺はそれを聞いて逃げ出した、なんだか怖くなったのだ。あれほど必死になった左腕を投げつけファービーも投げつけ(モルスァアアアアアアアアアという悲鳴の様な音をだした)手頃な物はすべて投げつけた、俺はこれでも小中高と野球部に所属していた、2軍だったが一般人よりは速いはずだった、だが爆発が起きファービー以外の全ての物が防がれた(ファービーは気持ち悪かったのか避けていた)
「うぁあああああああくるなくるなくるなくるなくるなああああああ!」
俺は半ば発狂していた、蝶のスピードは俺の石の投げるスピードより明らかに速かったのだ。