「ここは………どこだ?」
目が覚めたらそこは砂浜だった。確か俺はマクドで飯を食ってたはずだが……
「なんでこんなの所に俺はいるんだ?母さんや父さんの悪ふざけでも無いだろうし………」
俺――――馬場アデク――――は自問自答しつつなぜこんなところにいるのか考えた。最初は悪戯好きの両親の仕業かと思ったが少し考えればそれはないと断定できた。何故なら俺が住んでいる場所は埼玉県、海の存在しない県だった。さらに両親は二人とも車の免許を持っていない、流石に公共交通機関を使ってわざわざ他県まで行ってするようなことでも無いからだ。
「あっそうだ、スマホ使えば分かるか。」
現代っ子の必需品、スマートフォンを使えばすぐに真相が分かる、そう思ってジーパンの尻ポケットを探るが………無い、シャツの胸ポケットも探るが…………無い。可笑しいと思って周りを見渡すが其処には少し位古ぼけたファービーがあるだけだった。
「なんでスマホがあってファービーがあるんだよッ!」
俺は憤慨して近くにあった手頃な大きさの石をファービーに向かって投げつけた。それがファービーの眉間にクリーンヒットし故障したのか低い声で何かを言い出した。
「ココハ屍島、10人ノスタンド使イガ集メラレタ、最後ノ一人ニナルマデココカラハ帰ラレナイヨ。」
ファービーはそれを10回ほどリピートするとファー、ブルスコォ、モルスァと延々に口ずさむようになった。どうやら本当に壊れたらしい。
「それにしてもスタンドってなんだよ?それに最後の一人になるまでってことは殺し合えって事じゃねぇか!もうわけわかんねぇ………」
俺は一度に大量の情報が来ると頭が混乱してパニックになるタイプだったらしい、だが少し経てば落ち着くことができた。
「くやくやしてもしょうがねぇ!俺は前に進むぞ!」
俺は勢いよく立ち上がり体に付いた砂を落とし、気持ち悪いがファービーをもって奥に見える海の家のような場所に行くことになった。