ハンター1「だけどよ、天才って言ったらもう一人いるだろ」
その言葉を聞いてセトの眉間がピクリと動く。
ハンター2「ああ、確かにいるな。名前は確か、“グラナ”だったか?セトと同期で訓練所にいたらしいな」
ハンター1「そうそう。てかよ、ぶっちゃけ、クラナの方がセトよりも凄くねぇか?」
セトの眉間が更にピクピクと動いた。
ハンター2「まあ、確かにな」
ハンター1「クラナは受けるクエストこそセトと同等だが、討伐しかしないセトとは違ってクラナの方は討伐よりも高難度な捕獲を卒なくこなしてくる。その上、なんと初見でリオレイアの亜種を捕獲してるとまできた。噂ではよ、訓練所での成績も常にセトより優秀だったらしいぜ」
ハンター2「まあ、才覚ならG級並だろうな。でもよぉ、クラナは大剣使いじゃねぇじゃねぇか。俺としては大剣使いのセトを応援したいぜ」
ハンター1「お前どんだけ大剣好きなんだよ」
ハンター2「ヘッ、大剣を知らなかったらわざわざハンターになんかならなかっただろうな」
ハンター1「ハンターになった理由しょうもなさすぎだろ……」
彼等の談話をよそに、セトの顔面は普段の人相の悪さも加わって夜叉の形相と化していた。目の前を通りすぎようとしたハンターや給仕が彼を見て腰を抜かしていた。
セト(あの女……ことごとく俺の邪魔をしやがって……!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すこ……)
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