雷霆を鍛えし者
zottei
2016/06/16 (木) 19:17:09
~とある路地裏~
(そこでは一人の少女が追手を撒くために必死に走り続けていた)
???「はあっ……はあっ……はあっ……」
兵士A「待てぇ!逃げるな!」
兵士B「教会が指定してきた女の特徴と一緒だぜ。薄汚れたようなくすんだ灰色の髪に赤色の目」
兵士B「教会が街の兵士ほとんどをパシらせてまで捜してるんだ。こりゃ捕らえたら手柄でたんまり報奨を……」
兵士A「えーい、俗物が。たまには兵士の義務感で動けぬものか!」
兵士B「へいへい」
(そうこうしてる内に必死の逃走虚しくも少女は行き止まりへと追い詰められる)
???「……なっ」
兵士A「観念するんだな」
兵士A「君がどういった者かは知らんが、あの聖神教会が大袈裟に動いたのだ」
兵士A「兵士として私は君を捕らえ」
兵士B「御託はいいんだよ。早く縄で縛ろうぜ」
兵士A「ぬぅ……」
???「…………っ」
(少女が歯噛みしてる間も、兵士二人は少女を逃さないように囲うように迫ってくる。だが、少女のその表情は演技であった)
???「《
(少女が何かを唱えると少女の前方に強烈な光が発される。事前に目を閉じていた少女はともかく、不意を突かれた兵士二人は光に目を焼かれて一時的に視力を失う)
兵士A「め、目が!目が見えない!」
兵士B「チッ。目眩ましか。小娘が」
(二人の視力が回復したときには少女の姿はそこから消えていた)
兵士B「追いかけ損だぜ」
兵士A「聖神教会からは事前に魔法を使うと聞かされていたというのに失態だ……」
兵士B「俺も報奨に目が眩んじまってたな」
兵士A「せめて教会に目撃した旨だけでも報告しよう」
(そうして、兵士も去ったことで路地裏には再び静けさが戻った)
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