薄い人生? 盃を置いた。テーブルに肘をつき、小首をかしげ、けらけら笑う。
「青い春は遠い昔、至れる若気もありませんで。
常世の国はすばらしい。蒼海の国にも道行きで寄りましたけどねえ、まったくあの国の辛気臭いことときたら……ここなら人も十分、仕事もあるうえ、いわゆる『霊素』もたっぷり、『奇跡』すらある。私にとっても、たいへん興味深い国ですよ」
薄ら笑みを浮かべ、目を細めた。
しかしそれも数秒のこと、ぱっとまた表情を崩し、
「まあまあ! ここは同宿の予定もありますし、お互い仲良くしようじゃありませんか。
私はエスター・ルネ・ガレストと申します。どうぞお見知りおきを。
ぜひとも坊やの名前もお伺いしておきたいものですねえ」
一方的に自己紹介をし、いけしゃあしゃあとのたまった。
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