古い扉が開き、また一人足を踏み入れる。
ジロリとした目つきは元からか…特に臆するでなく男は慣れた風にカウンターへと足を運ぶと注文をする。
「魔術酒か…変わった名前だな…、いや気に入った。それを一つ、それと適当につまみをくれ」
品を受け取ると適当な席へ…と向かいがてら赤毛の男をちらりと見た。
物腰が柔らかそうで風体も悪くない、こんな店には不似合いとも思えるが…
「あんた、こんなところで呑気に食事とはね。店、間違えてんじゃあないか?」
無愛想に投げかけながらも近くの壁際の席を陣取った。
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