「へへ、これおれが自分で作った杖なんだ。おれの家は由緒正しき魔術師の……って訳じゃないんだよね〜。残念ながら。パン屋なんだよ、甘藍の国さ。家にある長い物っていったら綿棒とホウキぐらいじゃん?仕方ないから綿棒のほうを改造して作ったのさ」
と少女の口に消えてゆく具材パンを眺めながら語った。箱の中身の話題になると、再び瞳が煌めいた。箱の前へと飛び出して。
「秘密の……品物?見たい!見せてよ!誰にも話しちゃいけないっていうんなら、おれ大丈夫だよ!こう見えて口は硬いんだ!」
通報 ...