神と呼ばれしポケモンの伝説が語り継がれるシンオウ地方での、夢と冒険のお話です。
基本プロットは組まないけど春休み中は失踪しないと思いますの
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リンカ
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....憎い
人々が 世界が憎い
だから私は、リセットする。そのための力を......!
「以上、カントー地方からお戻りになったナナカマド博士へのインタビューでした!」
音楽と共に、テレビ番組はCMへと変わった。
「人とポケモンは一緒...ならあたしもポケモンが欲しいなぁ...」
CMに切り替わったテレビをまじまじと見つめる少女、ヒカリ。彼女は十歳で、トレーナーの資格は持っていた。
だが、肝心のポケモンは持っていないのだ。
「ヒカリー!二階かー!?」
下から自分を呼ぶ声が聞こえた。
「ジュン?上がっていいよ!」
ヒカリが返事をすると、ジュンと呼ばれる少年が、凄い勢いで階段を駆け上がってきた。
「ヒカリ、さっきのテレビ観てたかよ!?」
ヒカリが「うん」と答えると、ジュンはさらに話を続ける。
「ナナカマド博士は有名なポケモン研究者だろ?ならポケモン持ってるはずだぜ!
お前もポケモン欲しいだろ!?」
ヒカリはそうかと気づいたような顔をする。
「マサゴタウンまで行くぞ!先行ってっから、遅れたら罰金だからな!?」
ジュンはそう言うと、今度は階段を駆け下りてヒカリの家を後にした。
「あたしのポケモン.....」
ヒカリは、まだ見ぬパートナーに夢を描いていた
思案
ヒカリは母親に一言言うと、家を出ていった。
「草むらに入っちゃダメよ!」
と釘を刺されたが......
「おせーぞヒカリ!」
街の入口にはジュンが立っていた。せっかちな彼は数分待つだけでもうイライラしている様だ。
「さ、ナナカマド博士のところに行くぞ!」
「.....ジュン、草むらに入る気?」
ヒカリは母親に釘を刺された後なので、草むらに入るのを躊躇している。
「いいっていいって!よしいくぞ!」
ジュンはヒカリの手を引いて、草むらに入ろうとする。
「あーもう!あたし知らないよっ!」
その時だった。
「まてい!」と、重い声が背後に聞こえた。
「な、何だよ.....あ!」
「あなたは....ナナカマド博士!」
二人は驚いた。テレビで見た有名人がすぐ目の前に立っているのだから。
「お、おい....この人ってナナカマド博士だよな....?何でここに....」
ジュンは焦りながら、ヒカリにぼそぼそと話しかける。
「うぉっほん!」
ナナカマド博士は、老体でありながら凄い威厳を持っていた。
「....君たち、ポケモンを持たず草むらを歩こうとしたのかね?」
博士の問いに、二人は少し黙り込んだが、縦に首を振った。
「あたし達、テレビで博士のインタビューを観て....あたし達もポケモンが欲しいなって。それで.....」
ヒカリの弁解に、
博士は「うーむ」と考え込んだ。
「この子達はポケモンが欲しくてこんな事を....」
「博士ッ!もうこんな無茶絶対しないから!ポケモンを下さいッ!」
ジュンのその深いお辞儀には、ポケモンに対する想いがこもっていた。
「......わかった。ポケモンをお前達にやろう!」
博士はそう言うと、カバンを地に置いた。
「ほ、ホントかよー!?俺今嬉しくって変な感じだぜ....」
ジュンはかなり興奮しているようだ。
「博士、あたしもすごく嬉しいです」
ヒカリも、ジュンほどではないが嬉しさを表に出していた。