ザワッター -zawatter-

アポの奇妙な冒険

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巨大な虫に変身していた

アポかど
作成: 2018/09/12 (水) 22:55:54
最終更新: 2019/03/10 (日) 02:37:53
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一昨日の話というか、深夜に起こった事だから正確には昨日の話なんだけど私の住んでいるマンションに不審者が来ました。

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「不審者か来た」っていうのは不審者が現れたの間違いではなく、不審者が来たのです。私の家に。

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:03:23 修正

時を遡ると、夜12時ぐらいに兄貴が友達に誘われてボーリングにいったんだけど、兄貴はもう大人だししっかりしてるから夜遅く出歩いてもなにも問題はないだろうと思って、夜遅いからといってボーリングに行くのを止めずそのまま「いってらっしゃい」と一声かけて見送ったんですよね。

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モンスター 2018/09/12 (水) 23:05:04

ほうほう

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:09:03 修正

そして一時間ぐらい経って、わりとうっかり屋さんの私は兄貴が家を出たことを頭からすっぽり抜けていてドアの鍵を閉めてそのまま就寝したんですよ。
んで、兄貴は今この時外に出てるんだけど何が問題かというと兄貴は鍵を持っていないんだよね。

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つまり、兄貴は閉め出し状態になって家に帰れないということです。

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:11:27 修正

そして私が就寝していた時です。深夜4時頃に甲高いインターホンのチャイム、そして、ドアノブを引っ張ってガチャガチャして開けようとする音がきこえてきました。

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:13:58 修正

『ピーンポーン、ピーンポーン、ガチャガチャ、ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ、ピーンポーンピーンポーンピーンポーン』
あまりにも五月蝿いので僕は眠りから目が覚めました。そして、そのインターホンとドアノブを引っ張る音から伝わる迫真さと異常さに恐怖を覚えました

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「一体誰なんだこんな時間に」と思いました。
しかし、ふと兄貴が外出していた事を思い出して、申し訳ない気持ちになり兄貴に謝罪をしようと、インターホンのカメラの画面越しに謝ろうとしたその時、ある違和感を覚えました。

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:22:13 修正

「……誰だ?」
画面を覗くとそこには髭面の男が立っていました。私の兄は髭は生やしておらず、私は見た瞬間に兄ではないと悟りました。
深夜4時という時間に全く知らない男が私の家に入ろうとしてきてるという状況を目の当たりにして、その恐怖に心臓の鼓動がはやくなりました。そして、まるで、私の心臓の鼓動を急かすようにインターホンのチャイムとドアノブを引っ張る音が鳴り続けます。
『ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ』
『ピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーン』

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「こいつ……確実に家にはいってこようとしてるな……」
そう思いました。しかし、入ってくる理由が分かりません。泥棒をするならもう少し音をたてずに入ってくるでしょう。殺人をただ犯したいだけならわざわざ鍵の閉まっているところを狙うでしょうか。一体なにをしたいのだろう。ただのイタズラだろうか。
考えた末、私は一つの答えにたどり着きます。
『男は私の家に固執している』
そう思いました。男は私の家の何かを狙っている。私の家にしかないものを。
しかしこの時の私にはそれはなんなのか分かりませんでした。

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私や家族になにか恨みを持つものが殺しに来たのだろうか。最初はそう思いました。
私はインターホンのカメラ越しに男を見張り続けていました。インターホンのチャイムとドアノブの音は鳴り続けています。
男は、インターホンが鳴りはじめてから14分後、諦めたのかエレベーターに乗って帰っていきました。
そして、私はその男がエレベーターに行くまでの道のりまでじっと観察していました。
そしてある違和感に気付いたのです。

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:46:09 修正

『こいつ足取りがおかしいな。』
男の足取りは少しおぼつかない様子で、少し歩きにくそうでした。
「もしかして……酔っぱらいか?」
そう思うとほとんどの辻褄があいました。
何故なら、男がただの酔っぱらいだと考えると、うちの家を狙ったのは自分の家だと思ったからであり、その自分の家に入れない、つまり閉め出されたとなれば、必死さからドアの何度もガチャガチャしてインターホンを何度も押してもおかしくないんじゃないだろうかと思ったからです。

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「ああ、良かった。相手に悪気は無かったんだ。」
私はそう一安心してもう一度眠りにつこうと思いました。
本当に長い14分間だった。その時の私にはその時間が何時間にも思えるようなぐらい恐ろしかったのです。

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アポかど 2018/09/12 (水) 23:54:58 修正

朝7時にインターホンが鳴りました。
カメラの画面を見てみると、今度は見知らぬ男ではなく、見慣れた兄の顔が写っていました。
私はふぅ、と息をつくと玄関まで行き、ドアの鍵を開けてやりました。
ガチャリ。
兄貴が家の中にはいると、私は深夜に起こった出来事を全て話しました。
「男が来たが、どうやら酔っぱらいが家を間違えたらしい」
私は笑い話のようにその話をしました。
しかし、兄貴はその話を聞いて笑うことはありませんでした。
そして兄貴は一言、こう呟きました。
「あー、なんか郵便受けに物的証拠みたいなのあるんだけど」

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「物的証拠? 酔っぱらいがゲロでも吐いていったのか?」
私は冗談めかしてそういいました。
しかし、兄はいいや、と首を振ると私の目を目をみてこう言いました

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「郵便受けにコンドームが入っているんだけど」

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アポかど 2018/09/13 (木) 00:00:41 修正

「は?」
私は家からでてすぐに郵便受けを確認しました。
郵便受けには3つその様なものが入っており、私はすぐに悟りました。
これは酔っぱらいではなく、確実に異常者だ。
恐らく、いや確実に悪意をもってここに来ている。
そう感じました。

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私は家族全員にそのことを伝えました。
そして、私は画面をずっと監視していたので、男の顔を覚えており、それらの特徴を捉えて絵に描いてみました。
すると、母は見覚えはないと言いましたが、姉の様子が変でした。
「見覚えあるのか?」
私がそう聞くと姉はこくりと頷き、話始めました。
「この男に一度ナンパされて無視して歩き続けていたら家までついてこられた」
姉はそう言いました。
私はこの話は初耳でした。
そして、同時に男の目的が分かりました。

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男の目的は、「姉」だ。
まだ、確実な証拠はありませんが、そう推測しました。というか、私達には推測しかできません。
とりあえずこの事を警察に通報しました。
警察はなにかあれば電話してくださいとだけいうと、そのまま電話を終えました。

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柿崎だったり 2018/09/13 (木) 00:12:07 >> 20

な、なんだって〜!?

21

という話です。
~完~

24

あと一つ言っておくと一番怖いのは、私がうっかり鍵を閉めていなかったら、男は確実に家に侵入してきたということです。
今回ばかりは私のうっかりに感謝しかありません。まさに危機一髪

25

てかガチで笑い事じゃない
今もまたいつ来るんだろうかと常に神経が尖ってる