『建築知識2024年7月号 新石器・古代王朝から清朝まで 中国の建物と街並み詳説絵巻』を紹介します。以下は、購入店・楽天ブックスに「購入者07519859」名義で投稿したレビューの転載です。
・発売前から「中華モノの創作者には必読の一冊」との事で購入。中華の建築について基礎的な知識が身につく。図版をよく読み込む必要があるが、建物の大きさにもきちんと数字を挙げている。中国の都市設計思想や建築を知るには、【最初に買うべき一冊】。
・この質なら「雑誌」でなく、項数倍、値段倍の「単行本」でも良いぐらいだ。単行本のほうが長く本屋に置かれるから、長く買えるのでは? (もっとも本誌はバックナンバーが買えるので、実質単行本に近い扱いのようだが)。中華建築の「第二弾」も期待したい。
・手元の中国史本と重複するが、オールカラー図版で視覚的イメージがつかみやすく、専門用語も引きやすい。中華風世界舞台の創作だと、原則カタカナ語が使えぬ。ある程度建築・街並み関係の中国史本をそろえられている方でも買って損はない一冊。手元の中国史本だと、図版が白黒で視覚的イメージがわかなかったり、専門用語がわかりづらかったりすることがある。他の専門書を読む際の助けにもなるのでは? ただし、最重要キーワードの一つ「版築」の説明が薄い。知らぬと「何、それ」になるのでは? 「読者は知っている」との前提なのか? 図解入りのコラムできちんと説明してほしかった。
・建物・街並みの外観には詳しいが、内装はほぼ記述なし。家具も一通り出てくるが、それなら配置等室内のしつらえも書いてほしかった(次号で取り上げ?)。
・中国で、床に座るか、椅子に腰かけるかの変遷に詳しい。
・モンゴル族の包、ウイグルの陸屋根民居、雲南の高床式住居はもっと詳しく書いてほしかった。
・取り上げられた町並みは、歴史上の洛陽・長安・開封・蘇州・北京。鳳凰古城・芙蓉鎮・麗江など現存する古鎮・古城、チベット、ウイグルの街並みも取り上げてほしかった。