途  みち  中  なかば

山辺の可不可 或いは過負荷 / 17

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Stand up again 2022/12/18 (日) 21:42:34

2021 5/19 投稿分

7年ほどになるだろうか

友人を見舞った病院にかなり立派な礼拝堂があった

友人の状態を知らされていたことと
12月というのもあって
扉を開ける

扉は開いていた

病院の礼拝堂にしてはかなり立派なもの

しばらく座って友人とのことを考えていた
母親の残したロザリオを取り出し
アヴェ・マリアを口にすることもなくただ漫然と

母親は洗礼名が長いので上をとってアメリカではメアリー
ベルギーではマリアと呼ばれていた

中には下の方の古の香港出身の歌手のような名で呼ぶ人も

腎臓を移植した友人
11年はもったから元が取れたなんて笑っていた
元なんか取れるはずがない
一度結婚というものを試してみたかったなんてことも
今からでもどう?ともれる息で笑っていた

笑うのも精一杯
握った手には力なく
やせ細った腕は紫色

見舞った翌日に天に帰る

見舞いのその日はケータイに出ていた
息が漏れていたのでメールに切り替える
それなら誰かに読んでもらえるだろう
その子の母親からはおそらく今日明日と事前に連絡を受けていた

歌って欲しいとの意思表示
曲は分かっているのでそれを歌う
個室ではないので気兼ねしながら

同室の患者さん達も聞きたいからどうぞと言ってくれた

日本の少し古い時代の曲

今はまだその歌は歌えない

歌えない曲
演奏できない曲

そういうのが増えてきた

リクエストを受けることができない
現場を離れた理由

数年ぶりに東京・横浜で3コマほど
ちょうど武漢で新型が流行り出したころ

翌年には3・4・5・6・7と予定を組んでいた
2コマ入れていた月もある

ブライダルも
これはタニマチから頼まれたもの
会場専属の方が安いと辞退したが
断り切れずに承諾
それも中止になってしまった
結婚はやるが披露宴が中止とのこと

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