♦
そんな会話から少し時間が過ぎ、太陽が地球の裏側の天上で輝いているであろう時、僕は再びいつもの通学路を歩いていた。
現実的に考えてしまえば、防犯用のライト――――センサーで光るやつ――――とかが真相なんだろうが、それでも、現実でなかった時を考慮しないわけにはいかない。
内心そわそわしながら僕は、僕達の通う市立冴凪高等学校の正門の前に辿り着いた。
少し予習をしてきた。
人魂は、古くは万葉集から存在しており、人の体から魂が抜け出した魂。地域差があるが、あまり高くは浮遊せず、色は青や白、赤色が主で、尾を引くらしい。
代わって鬼火は、人だけでない霊や怨念が現れたもので、青や赤に加え、黄色もあるらしい。
そして狐火は、少し趣を異にしていて、列をなす火であるらしい。
そんな御託はともかく、と僕は頬を張って気を引き締め、そう高くない校門に手をかける。
――――フッ
突然それは僕の前に現れた。
ぼんやりと、しかし確かに、その黄色い灯は遠近感が失せる程に僕の目前に現れた。否、灯った。
♦
次章は後日
通報 ...
凍結されています。