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【SS】理狂い / 6

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ちゃむです 2018/02/03 (土) 16:34:53 修正

「また、か………。」

わたしは甲高い声の主の耳元に入らぬように小さな声で呟いた。
女性である私が犯罪が横行するこの街に住んでいる以上、それは避けられないことであった。
今まで何度この体を性に飢えた化け物共に貪られたことか、私は覚えていない。
ただ、私は化け物共に体を貪られているときに感じた不快感情をはっきりと覚えている。
あのどうしようもない不快感情を味わうのだけはもうゴメンだ。
そう無意識に懇願していたからか
何時しか私は化け物共を追い払う術を身につけていた。
それは体術とか話術だとか、そういった有り触れた物ではなくて
魔法とか超能力だとか、そういった中々オカルティックな代物に分類されてしまうだろう。

「おいやめとけよミッキー、あんな汚い女とヤったら何伝染るかわかんねーだろ^^;」

先程の甲高い声に比べると少々低い男性の声が聞こえた。
二人、いるのだろう
そして恐らく、ミッキーというのは先程の甲高い声の主の名だろうと私は推察した。

「っるせーな!!🐭💢
「僕様今すぐヤリたい気分だから!!!!💢💢💢💢
「黙ってろ雑魚。。ゎら」

先程の甲高い声の主はあからさまに苛立ち始め声を荒らげた。

「まぁ勝手にヤッて勝手に伝染って勝手に死んでくれれば俺としても好都合なんで」
「勝手にどうぞ^^;」

随分と勝手なことを言ってくれるなと私が思ったのも束の間
足音が背後のすぐ側まで近づいていたことに気づいた。
私は身を翻して剥き出しになっていたコンクリートの鉄筋に右腕を力いっぱいに打ち付けた。
大量の血がドクドクと腕から溢れ出した。

「なんだよこいつ。狂ってやがるぜ。。」
低い声の主は私の咄嗟の行動に動揺していた様だが
甲高い声の主は一言も声を漏らさなかった。
私は腕から溢れ出る血を先程横たわらせた二人の死体の口に注ぎ込んだ。
注ぎ終わってもなお、止まることのない出血を気にもとめずに
私は出来る限り恐ろしい表情で甲高い声の主の方を睨み付けた。

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