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【SS】理狂い / 57

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ちゃむです 2018/02/05 (月) 23:38:15

「あ、あの……なんかすいません…………。」
私としたことが、こんなくだらないことで失態を犯し、先程のナイヤガラさんと同じところまで落ちてしまうとは
何たる屈辱だ。
私は一分前の自分を恥じた。
紙にシワが入るくらいに私は両手に力を込め、心の中に潜んでいた幼稚な私を取り払った。
「では……気を取り直して」
ゆっくり息を吐きながら両手に入れていた力を抜くと私は再び読むのを再開した。
「その後冬将軍さんがナイヤガラさんの連絡を受けたためか、すぐに館内に集合のアナウンスが聞こえてきました。」
「私はそのアナウンスを聞いてすぐに部屋から飛び出ようとしましたが、不思議なことにナイヤガラさんとの通話が切られずに継続されていたことに気がつきました。」
「恐らく、ナイヤガラさんが機転を利かせて、現場の様子を伝えるためにわざとそうしたと思われます、事実、その通話は現場の状況を分析するのに非常に有用な情報源でした。」
その時、ほんの僅かだがナイヤガラさんの口角が上がったような気がした。

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