「チッ、速すぎる……」
「ハハッ!鈍いなぁ!」
素早く跳びまわる影に翻弄されて二人は彼の思い通りに、走り通しだった。
「ハハッ!お前らはもう終わりなんだよ!」
甲高い声と共に、ミッキーは再び回路の岐れ路のどこかへ姿を消した。
「藤遊、やばいでしょ……このままじゃまた同じことの繰り返しだよ……帰投して報告を優先させた方が……」
「それは無理だなぁ。ここは奴の庭だ……。奴が生きてる限り、僕達はここから生きて帰れない。それに……」
藤遊は俯きながら続ける。
「いんく達がいたから、あの崇高な戦士達がいたから、僕達はここまで潜り込めてる。ここで退いたら彼らの覚悟と命が無駄になる。」
「でも……俺達だけじゃミッキーを殺せないんじゃないの……?ここは奴の庭なんでしょ?」
「……………………」
沈黙が続いた。
次の瞬間、「奴」の甲高い、かつ化け物じみた不気味な咆哮によりそれは破られた。また、悪夢が始まる。
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二人から身を隠したミッキーは、冷たい扉を開き、黒で染まった部屋に入った。
「ハッ……やってくれやがった、あの
「
「もう逃がさねぇ!ハハッ!許さねぇ!!ハハハハッ!!!」
「
ミッキーは、狂ったように叫び、乂慈威斧を手に取り、猛獣のような咆哮を放ち、部屋を跳び出た。また、悪夢が始まる。
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凍結されています。