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【SS】カイリューの楽園【完結】

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・グロ要素有り
・オリキャラ

とりあえず立てた

ヘタルのひかり
作成: 2018/01/20 (土) 11:53:25
最終更新: 2018/01/25 (木) 23:19:57
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16
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:12:36

マリン「これじゃあ何言ってるか分からないわよ!!」

エメラルド「まぁ、いいじゃん?」

財布から金を出し、カイリューの手のひらに置いた。

カイリュー「バウ、バウバウ」

カイリューは嬉しそうにニコッと笑った。

マリー「あぁ、笑ってるカイリューも良いな!」


クロム「はぁー、疲れたぁ」

マリン「そうかしら?」

エメラルド「それよりもお腹空いたぁ」

ぐうう…と皆の腹が鳴る。

マリー「あはは、確かにまだ私達何も食べてないね」

17
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:16:05

ロイヤル「どんな料理なのかしら…」

エメラルド「確かに!気になる!」

カイリュー「バウ、バウ」

机の上に置かれたのは豚カツと味噌汁とご飯…いわゆる豚カツ定食だ。

マリン「…意外と普通ね」

クロム「…うん」

とりあえず手を合わせた。

五人「いただきます!!」

18
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:22:36

マリー「美味しいねぇ、ご飯!」

ロイヤル「うん、特にこの豚カツ」

エメラルド「分かる!なんか独特な味だよねぇ」

シンプルではあるがかなり美味しい。


五人「ご馳走さまでした!」

完食。とっても美味しかった。満足。

マリン「美味しかったわ。また食べたいわね」

クロム「うんうん」

首をブンブンと縦に振る。

マリー「そういえば今何時?」

時計を取り出すと、針は8時を差していた。

マリー「まずいお風呂!!」

19
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:27:00

皆は急いで部屋から出ていき、浴場に向かった。


エメラルド「良い湯ー」

大理石に顎を乗せだらーんとしている。

「あばっ、ぼぼぼ!!」

バシャバシャと水が飛び散る音が聞こえる。

マリー「何があった!?」

後ろを振り向くとクロムが溺れていた。

クロム「誰かああ!」

唖然しながらもなんとかクロムを助けた。

20
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:29:47

マリー「あれ?ロイヤルは?」

マリン「露天風呂」

マリー「あ、露天風呂あるんだ。じゃあ私そっち行こ」

エメラルド「私もー」

後からどんどんついてくる。

ガラガラガラ

暖かい露天風呂に入り空を見上げる。

良い夜空だ。

ロイヤル「綺麗だね」

21
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:32:29

クロム「…そうね」

エメラルド「たまにはこういうのもいいねぇ」

皆で綺麗な夜空を眺めている。

マリン「…さ、行きましょ」

マリンが風呂から上がる。

マリー「早くない!?」

マリン「のぼせたら大変だし。私は先に行くわ。じゃ」

ロイヤル「え、じゃあ私も!」

22
ヘタルのひかり 2018/01/20 (土) 22:36:07

クロム「本当、今日は良い日だったね」

マリン「えぇ。料理も美味しかったし…」

マリー「カイリューの楽園、最高でしょ?」

マリンは少し考えると「そうね」と微笑んだ。

エメラルド「おやすみー」

ロイヤル「早いわね…じゃあ私も寝るわ。おやすみ」

エメラルドとロイヤルが眠りについた。

クロム「じゃあ私達も寝ますか!」

マリン・マリー「うん」

照明をパチッと消し、私達も眠りについた。

23
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 13:54:13

マリー「皆おはよー」

マリン「おはようございます」

クロム「おはよう」

ロイヤル「おはよ」

マリーが起きると、他の皆も起きた。

がエメラルドは…

エメラルド「ぐー…すー…ぴー…」

いびきをしながら寝ていた。

マリー「あはは…」

苦笑いを浮かべ時計を見る。

6時。

マリー「そろそろ出なきゃ!」

ロイヤル「起きてエメラルドー!!」

ロイヤルはエメラルドをゆさゆさと揺らす。

エメラルド「ぐぅ、ぐぅ」

寝ている。

24
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 13:56:33

クロム「もう朝だよ!!」

バシバシバシバシ

クロムがエメラルドの頰を叩きまくる。

エメラルドの顔は真っ赤になっている。

さすがに酷くない?

エメラルド「ふわ…おはよー皆ぁ」

やっと起きた。

エメラルド「じゃあ二度寝するね…」

四人「いやダメ!!」

25
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:00:05

マリン「さ、行きましょ」

パジャマから私服に着替え、扉を開く。

と廊下は真っ暗。

ちょっと変な匂いもする。

クロム「な、何これ?!」

ロイヤル「ううっ…」

皆は鼻をつまんだりしている。

マリー「スイッチってここかな…?」

カチッ

辺りがパッと明るくなる。

廊下は

血まみれだった。

26
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:02:32

エメラルド「ひっ」

床も壁も血まみれ。

まるで肝試しに来たみたいだ。

マリン「うっ…」

衝撃な事に吐き気を覚える人もいた。

さすがに吐く、なんて事はしなかったが。

カイリュー「バウ…」

すると廊下の奥からカイリューが現れた。返り血がたくさんついている。

27
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:06:35

マリー「ね、ねぇカイリュー!助けて!これってどういう事なの?」

慌ててカイリューに駆け寄る。

カイリュー「…」

カイリューはずっと黙っている。

カイリュー「バウ…」

カイリューはマリーをひょいと持ち上げる。

マリー「えっ?カイリュー?」

カイリューは大きく口を開けマリーを…

クロム「マリー、危ない!」

クロムが叫ぶとカイリューは少し驚きマリーを離した。

マリー「いてっ」

ロイヤル「よ、良かった…」

四人は安心した。

28
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:13:32

カイリュー「バウ…バウ…バウ…」

カイリューは後ろを向いて、廊下の奥へ行ってしまった。

マリー「どういう事…?」

意味が分からない。

大好きだったカイリューに殺されかけた。

何故?

私の憧れであるカイリューが

正義の味方であるカイリューが

私を襲おうとした。

エメラルド「マリー!」

その一言でハッと我に返った。

マリン「か、帰りましょ!」

マリー「…うん!」

29
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:15:52

五人は急いで、出口へ向かった。

クロム「はぁ、はぁ」

皆息を切らしている。

ロイヤル「ちょっと怖かったわ…」

ドアノブに手をかける。

が開かない。

ロイヤル「はぁ!?どういう事!?」

ガチャ ガチャ ガチャ

何回やってもドアは開かない。

マリー「私達もしかして閉じ込められちゃった…?」

30
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:36:35

皆の顔が真っ青になった。

私達はカイリュー達に殺されてしまうのか。

涙が溢れてきた。

エメラルド「きっと鍵があるはずだよ!探そう!」

クロム「ちょっと待って!」

クロム「大事な物忘れちゃった、取ってくるね!」

マリー「う、うん!」

クロムは急いで部屋に戻っていった。


クロム「はぁ、大変な事になっちゃった…」

クロム「鞄、鞄…」

呑気そうに辺りを散策する。

ドンドンドン!ドンドン!

ドアを叩く音が聞こえる。

クロム「あー待って待って!」

31
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:38:50

ドンドンドン!ドンドン!

クロム「もーうるさいなぁ…」

扉を開く。

クロム「どうしたの?マ…」

そこに立っていたのはカイリューだった。

クロム「え?」

カイリュー「バウーーーー!!」


「キャーーー!!」

クロムの声が聞こえた。

ロイヤル「クロムの声だ!!」

マリン「まさか…」

マリー「行こう!!」

32
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:41:40

辺りには嫌な匂いが漂う。

どうかクロムが生きてますように、生きてますようにと強く願う。

ガチャリ

ドアが開く。

そこには

頭と四肢が無いクロムがいた。

エメラルド「く、クロム!!」

33
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:46:30

マリン「うっ!!」

込み上がってくる涙と吐き気を必死に堪える。

ロイヤル「クロムがぁ、クロムがぁ…!!」

皆の顔は涙でグチャグチャになっている。

マリー「あ、ああ、あ…」

膝から崩れ落ちる。

クロムは、とても良い人だった。

リザードンがとても大好きで、ポケモンバトルがとても得意だった。

でも、クロムは

カイリューの手で殺されてしまった。

34
ヘタルのひかり 2018/01/21 (日) 14:50:24

私の大好きなカイリューがクロムを殺した。

マリー「カイリュー…」

マリー「…」

涙を腕で拭い、頰を両手でパンパンと叩く。

マリー「クロムの為にも、生き残ろう!」

エメラルド「…」

ロイヤル「…」

マリン「…」

三人は黙っている。

エメラルド「…そうだよね。クロムが可哀想だもんね」

マリン「犠牲者を出さないためにも」

ロイヤル「出よう。四人で」

マリー「…うん!」

35
ヘタルのひかり 2018/01/22 (月) 20:24:49 修正

マリン「二手に分かれて鍵を探しましょう!」

ロイヤル「そうね。一人だと殺されちゃうし」

エメラルド「教訓」

エメラルドはコクリと頷いた。

マリー「じゃあどうやって分かれようか?」

皆は1分間ぐらい考えると

皆「グーとパーで」

声が揃った。

36
ヘタルのひかり 2018/01/22 (月) 20:31:56

マリーとエメラルド。マリンとロイヤルという結果になった。

担当する場所はマリーとエメラルド…まぁつまりAチームが一階。

マリンとロイヤル…Bチームが二階。

能天気でフリーダムなエメラルド…正直不安しかない。フリーダムなのは私もだけれど。

マリー「じゃあどこ行こうか?」

顔を見合わせる。

エメラルド「台所」

マリー「はぁ」

エメラルド「食料があるかも」

なるほど。そういえば朝食を食べていない。

行かねば。

私達はカイリュー達に気付かれないよう足音をたてずに、走って行った。

37
ヘタルのひかり 2018/01/22 (月) 20:37:49

ロイヤル「はぁ、本当に血まみれ」

今は階段を上がっている。

壁も階段も手すりも全部ベッタリと血で染まっている

マリン「もうちょっと慣れたわ」

ため息をつきながら階段を上っていく。

ロイヤル「着いたわよ、さぁどこに行く?」

マリン「んー…」

マリン「図書室」

ロイヤル「えぇ?」

クルッと振り返る。

マリン「こういうのは何か、ヒントのような物とかが置いてそうだけど」

ロイヤル「そうかなぁ」

38
ヘタルのひかり 2018/01/22 (月) 20:41:49

図書室のドアに手をかける。

ガチャ

鍵かかかっているようだ。

マリン「またぁ!?」

ついつい大声を上げてしまいロイヤルに「静かにー」と叱られた。

ロイヤル「鍵が必要みたい。隣の和室に行きましょう」

マリン「えぇ…そうね」

足を一歩踏み出した瞬間

「バウー…」

嫌な唸り声が聞こえた。

どうやらさっきの大声でカイリューが来てしまったのだろうか。

マリン「ひぃ!」

やはり一歩引く。

音は奥から聞こえてくる。

ロイヤル「ま、マリンのせいで!」

39
ヘタルのひかり 2018/01/22 (月) 20:46:46

カイリュー「バウーーー!!」

追いかけてくる。

マリン「まずい!!」

ロイヤルとマリン、二人横に並んで逃げ回る。

下に降りるのもいいけどマリーとエメラルドを巻き込むわけにはいかない。

マリン「どうしてくれるの!!」

急いで201号室のドアを開け、椅子を取り出しドアの前に置く。

マリン「はぁ、はぁ、 はぁ…これで一安心かな」

安心して椅子に座る。

マリン「危なかったね、ロイヤル」

隣を見てもロイヤルはいない。

マリン「え?ロイヤル、ロイヤル?」

そういえばさっきから全然ロイヤルの声が聞こえない。

マリン「まさか…」

ロイヤルとはぐれてしまったようだ。

40
ヘタルのひかり 2018/01/22 (月) 20:49:25 修正

ロイヤル「マリンー?マリンー!助けてええ!!」

マリンはいない。

カイリュー「バウーーー!!」

まだカイリューは追いかけて来る。

昨日の優しそうな顔とは全然違う。鬼のような顔だ。

カイリュー「…バウ?」

カイリューが後ろを向いてどこかへ行った。

なんとか逃げ切れた…ようだ。

ロイヤル「よ、良かった…さ、マリンを探そ」