濁った瞳③(終)
2020/08/26 (水) 23:27:11
「―――――――――」
わからない。
何も、わからない。
戦いたくないのなら、戦わなければいい。何処へなりと姿を変えて逃げ出せばいいのに。僕はこの「戦争」に身を置き続けている。
それより前、12SSで散々死んでく命を見てきたのに、まだ自分の命を捨てに行こうとする。僕だけ生き残ってしまったから?
いや、全て詭弁だ。
わからない。―――わかりたくなかった。今も尚、行く先を他者に委ねて、漠然と戦ってるだけの僕の姿を。
何も戻ってこないと分かっているのに、無為に銃を構えるだけの僕を。
きっと、今の僕の眼は、
彼女と同じ。泥の色に濁っているのだろう。
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