ようやっと追いついたわ。
ええ? 随分遠うまで逃げてくれよったもんやな。遥々札幌、それも監獄の奥底に行こうとしとったて?
舐めとんのか。
俺ァな。平生は他人様の主義主張までとやかく言わんようにしとんねん。
なんぼ見下げた外道でも、逆に尊い聖人でも、自分やない以上はその考え方そう気安く批判はできんわ。
しゃあけど
どこどこまでも腐った肚で、優越に浸りたいっちゅうただそれだけの理由で“運命”を弄ぶ? “歴史”を愚弄する?
挙句の果てにゃあイカサマ頼りのこっすい手で弱者甚振って楽しむてか。カスが。
……いや。正義振りかざせるほどこっちも上等な人間やないしな。正直に言おか。
自分の身内にまで手ェ出されて黙っとれる程こっちも人間出来とらん。
きっちり落とし前つけてもらわな、何にせよ話にならん。
席つけや。手前の大好きな賭け、もっぺん乗ったる。
いいや、乗らざるを得んな。俺との契約は穴つけても、『立会人』と交わした契約、履行せんとは言わせん。
……。
席つけ言うとんのが聞こえんのかこんダボがァッ! この期に及んで逃れられる思うたか、あぁ!?
……結構。それでええ。
イーリスさん……いや、代理人。事前の取り決め通りに。
何するかて? 再契約や。この場で、完全に蹴りつけよやないか。
良く良くスクロール読んどけ。嫌や言うてもサインはもらうがな。
……何や? ああ、その項目かい。本気に決まっとる。天王寺でもそうやったやろ?
あん時は指だけやったからな。繊細な作業はできんでも、脚と腕が無事やったら人間案外色々できる。改めて確認したわ。
やから、今度は『腕も脚も全部潰す』。賭けはそれからや。
勿論俺も潰してもらう。また七面倒な条件で、代理人には迷惑かけて済まんがな。
……アホ抜かせ。“イカサマは禁止されとらん”が、“イカサマの可能性を摘んではならん”とも書いとらん。
徹頭徹尾、運以外の不確定要素は潰す。それでこそ真の賭け。ちゃうか? 賭け狂い(ギャンブラー)。
当然、四肢潰されたら自分ではプレイできんやろうな。そこは代理人にまた手間掛けることになるが。
俺はセレカフスに頼む。お前は代理人に頼んだらええ。
……何や? 自分はイカサマしといて人がするかもしれん思うたら怖いか?
ええよ、それやったら手間になるが、俺も代理人に頼もか。これで文句あるまいよ。
……しつこいわ。やる言うたらやる。御託は聞かん。文句あるんやったら代理人に先取り立ててもらおか。
ああ? なんでそこまで?
今更分かりきったこと聴くなや。まあ、分からんなら聞かしとこか。
──“
そら、始めよやないか。
読みと、肝っ玉と、運だけが全部の賭けや。お前さんの大好きな大好きな、ギャンブルや。
付き合ってもらうで。手前がこれまで弄んできたサーヴァント、全部解放するまで。
精々楽しんだらええわ。これまで通り、“