「あの...お願いします...おうちに帰してください...」
「あなたはもうおうちには帰れませんよ?」
雪を想わせる短髪と大きな赤いリボンのコントラストが可憐な幼い少女が、椅子に座った状態で縛り付けられている。
両腕は背もたれごと縄で巻かれ、両脚は椅子の脚に沿って固定されている。
「お父さんが待っているんです...!心配させたくないから、帰してください...ッ!」
「あなたも、お父さんも、何も心配する必要はないんですよ?」
父を心配させまいとする少女の健気な懇願を受け流し、怪物は今回の凶器を手に取る。
「雪美さぁん、これ、なんだかわかりますか?」
「え...?ガス、バーナーです。お父さんがお肉を焼く時に使ってました」
「正解です。これはお肉を焼く道具、ガスバーナーです。今からこれであなたを焼きます」
そう言うと怪物はバーナーの噴射口を少女の白い太ももに向け、調節ねじをいっぱいに捻り切り、着火ボタンをカチカチと鳴らし始める。
「っ!?な、なんで!?や、やめて!やめてくださいっ!!」
「あれ?おかしいですねぇ...新品の筈ですがなかなか付かない...あっ付いた」
「あああああ!あ゛つ゛い゛!゛あ゛つ゛い゛!゛とめて!!とめでください!!」
勢いよく噴き出る1500℃の青い炎が少女の柔らかな脚をグリルしていく。
少女は必死に身を捩り、肌が焼ける苦痛から逃れようと無駄な抵抗を続ける。
肉が焼ける香ばしい香りが周囲に漂い、白い脚はまず赤く焼け、次に水疱が生じ、最終的に乾き切った黒に変色する。
「あ、あぁ...あしが...あしが...なんで、なんでこんなことするんですか...?わた、しなにもわるいことしてな...」
「何故、ですか...あなたの白い肌と髪が綺麗だなーと思ったので、燃やしたくなりましたね、ははは。そういうわけで...次は髪です」
少女の疑問に人倫からかけ離れた答えで返すと、ガスバーナーの噴射口を少女のさらさらとした白髪へと向ける。
「おっと、これは邪魔ですね。解いておきましょう」
「っ!!そ、それはおとうさんがくれたリボンなんです...かえして...かえしてください...お願い...」
「あー、お父さんからのプレゼントでしたか...それは残念」
真っ赤なシルク製の高級リボンにガスバーナーの火を近づけるとじりじりと燃え、まるで溶ける様に消えていく。
「あ...あぁ...やだ、やめて...うぅ...ぐすっ...えぐっ...」
「あー、これシルク製リボンだったんですねぇ。全部黒い粉になってしまいましたよ」
黒い燃え滓を手から払い落とし、思い出したかの様に泣き噦る少女の髪をバーナーで焼き始める。
「あ゛あ゛あ゛あ゛か゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!゛!゛あ゛つ゛い゛!゛や゛め゛て゛!゛わ゛た゛し゛の゛か゛み゛や゛か゛な゛い゛で゛!゛!゛」
髪と頭皮が焼かれ、チリチリという異音と亜硫酸ガス特有の刺激臭が焼き放たれる。
父親に優しく撫でられ、日頃から丁寧にケアしていた綺麗な髪の毛が瞬く間に焼け焦げて潤いを喪い、灰色の縮れ毛に不可逆変換されていく。
「ぐすん...うぅぅ...おかあさん...おとうさん...」
度重なる肉体的精神的苦痛に耐え切れず、もはや少女は啜り泣き、震える事しかできない。
その弱りきった様子のすべてが、怪物の糧であり、悦びであった。
「ははは、疲れてしまいましたか?大丈夫です。そろそろ終わりますから」
怪物は少女の臍をナイフでこじ開けつつ、ガスバーナーの噴射口を無理矢理押しこむ。
「ぐぎぃ!?」
そして、着火。
「ぎ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!゛!゛!゛!゛あ゛が゛ぅ゛!゛!゛あ゛つ゛い゛!゛!゛お゛な゛か゛あ゛つ゛い゛!゛!゛ぎ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛」
体内で噴き上がる灼熱の奔流が生命維持に不可欠な主要臓器群を焼き焦がし破壊していく。
内側から加熱される事により少女の腹部は膨らみ上がり、赤黒く変色していく。
臓物が焼かれる事による筆舌にし難き匂いと煙が、少女の中から立ち昇る。
「が...あが...お、どう、さ...あがぅ!ひゅ...」
椅子が倒れる。少女の最後の言葉は、焼け爛れた内臓を陵辱せんとする怪物に押し潰され、誰にも聴かれる事なく消えて逝った。