kagemiya@なりきり

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なぞのそしきの ニナ=N/Aの処遇について 2022/05/18 (水) 19:12:38

「ご主人様、アトラス院より催促状が届きました。
 『速やかに組織内で匿っている番外七大兵器をアトラス院に引き渡す事を要求する』、とのことです」
『…分かった。ご苦労』
とある都市の高層ビルの最上階、都市全域が見渡せる一室。
窓の傍に立つノイズ塗れの存在…BOSSは、クレピタンから受け取ったなぞのそしき宛の手紙を読み終えると、何時ものようにふっと笑った。
『今は何もしなくていい。いや、手出しは厳禁と皆に伝えておいてくれ』
「…よろしいのですか?ご主人様が望むのであれば、わたくしの力を、」
『いいんだ』
心配そうな眼差しを向けるクレピタンの肩に優しく手を置くBOSS。
『君の力を疑ってはいない。…だが、奴らアトラス院の技術力も決して侮れるものではない。
 私は組織の長、君たちの命を預かる者として、君たちの安全をできる限り保証する義務がある。
 …何、安心してくれ。こちらには取って置きの切り札がある』
そう言ってBOSSは懐(本当にそこが懐かは分からないが)から取り出したのは、
凛々しく立ちながらも可愛らしい表情をした少尉の写真だった。
「…ご主人様、その…」
『おっと、間違えた。こっちだったか』
写真を仕舞い、改めて懐から出したのは一枚の用紙だった。
「それは、確か…」
『アトラスの契約書だ。私の噂にあるだろう?あれは、真実だったということだ』
割と隠していた方の秘密だったのだがな、と言いながらBOSSはその契約書を懐に仕舞う。
『もしもあちらが実力行使を図るようであれば、これを使えば交渉ぐらいはできるだろう』
「アトラスの契約書は、確か世界に7枚しかない物の筈。それをご主人様は、一員を守るために…」
『当然だ。ニナだけではない。皆、我が組織には決して欠かせぬ人材だからな。
 そして当然、君もまたその1人だ』
クレピタンに顔を向けるBOSS。
『何かあれば遠慮せず言うといい。君の働きは、私にそうさせるだけの価値があるのだから』
ノイズ塗れでその表情は見えない。
だがクレピタンの瞳には、BOSSの雄々しき眼差しが視えていた。

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