剣道少女と美味しいカレー 3/3
2022/05/11 (水) 20:09:41
「……ごちそうさまでした。シスターさん、これ凄く美味しいですよ!」
「あはー。そうですか?そう言っていただけると作った甲斐がありますねぇ」
ふぅ、と一息零し手を合わせる。
カレーに対して名残惜しさを感じたのは久しぶりだ。
手作りでこれほどのクオリティを出せるものなのだろうか?改めてシスターさんに対しての印象が塗り替えられる。
しかし……この辛さを乗り切った代償も大きい。
具体的には汗が凄い。爽やかさこそあれど、肌に張り付く程まで濡れたパジャマは無視できない。
今すぐにでもシャワーを浴びて着替えたいところだが、生憎制服は全て洗濯に出してしまった。
どうしよう……流石に今の状態で街を出歩くのは恥ずかしい。例え街中に人が居ないとしてもだ。
……悩む私の表情に気がついたのだろうか。
シスターさんが少し考えた様子を見せると、頭の上に電球を浮かべたような閃きの表情で
「アズキさんも替えの衣装が足りないんですか?それなら────そうですねぇ。まだメイド服は余ってますし、一緒に着てみません?」
「…………えっ」
数時間後。
昼下がりの大阪にて、某衣装ブランドの袋を両手に持ったメイド服姿の少女二人が目撃された。
二人を撮影した女子大学生(22)曰く「アッシュグレーの子はニコニコしてたけど、金髪の子は燃えそうなくらい顔真っ赤にしてた」……とのこと。
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