イーサンとギドィルティ・コムの節分の話
2022/01/26 (水) 00:38:18
「ナあ、豆を撒クぞマスター」「は?」
自分のサーヴァントがまた妙なことを言い出した。
豆を撒くってなんだ、鳥でも呼んでそいつを食うつもりなのかコイツは。
あまりに唐突なことに反応するのが遅れた俺に対し、ギドィルティ・コムは何も気にせず話を続ける。
「この国の人間ハは豆を撒いタ後に豆を食って恵方巻とヤらヲ食うと聞いたぞ」
そう言うと同時にギドィルティ・コムはチラシを渡してくる。前にもこの流れを見た気がする。
チラシには『節分セット!』とデカデカと書かれた煎豆と恵方巻という物が書かれていた。
「…節分」
「ソウだ節分だ」
なるほど確かに時期としてはそれほど遠くない。準備もしようと思えばできそうだ。だが問題があった。
「俺は節分がどういう物か知らないぞ」
「ナンだ知ラないのカ?」
この前の年越しそばとは違い、今度の節分に関して俺は一切の知識がなかった。なぜ豆を撒くんだ、恵方巻っていったいなんだ。
「まぁ知ラなくテもいいカ、オレはこの恵方巻ト豆が食いタいんだ」
「まぁ分かった用意して…」
そう言いかけ改めてチラシの値段を見ると、思っていた以上に高かった。この前買ったモチより高いのだ。
「いや駄目だ駄目だ!この前買ったモチより高いじゃねぇか!」
「なんダケチケチしてるナマスター、この前はあんなニ素直になってタじゃないか」
「豆はまだ買うがこの恵方巻が高いんだよ!どうなってんだよ○○○○(クソッ)!」
「それじゃあ当日は腕ガ恵方巻代わりダなマスター」
「……チッ当日になるまで死ぬほど働いてもらうからな!」
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