kagemiya@なりきり

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泥新宿×綺羅星 少女と偽る者、黒猫は見ていた! 2021/10/24 (日) 21:36:17

「さぁ…ここへ座って」
フェイカーのアジト、そこは泥濘の新宿では比較的治安の良い鶯谷のホテル(どういうホテルかはあえて言うまい)だった。
かつては最上級の部屋であった一室にくにを招き入れると高級そうな椅子に座るを指差す。
「私はお茶を入れて来るから寛いでね」
「は、はい……」
とは言うものの今まで見たことのない派手な宿泊施設に戸惑いを隠せず、興味を引かれ落ち着けなかった。
ふと、窓の外を見ると数時間は経っているのに月が動かず夜の帳が開けていない。
「ここはね、ずっと夜なの。おかしいでしょう?」
くにの疑問に答えるようにフェイカーはお茶を持ってその背後に立っていた。
「わっ!」
驚いたくにが振り向くと薄桃色の着物を僅かに着崩しており、白い柔肌が顕になっている。
まるで蝶のようだとくには思った。ユィお姉さまとはまた違った優雅さ、雅とでも言うのだろうか、そういった気配があった。
「ごめんなさいね、驚かせてしまった?どうぞ暖まるわよ」
「あ、ありがとうございます」
フェイカーが出してくれたのは香ばしいほうじ茶だった。懐かしい香りに心が安らぐ。

「美味しいです」
「気に入って貰えたなら良かったわ」
フェイカーの穏和な笑みを見ていると不思議とユィお姉さまと一緒にいるときのような暖かい気持ちになり、心と体がぽかぽかとする。
それが何故か恥ずかしくて思わずくには目を反らした。
「あら、どうかした?」「いえ、わたしは…」
フェイカーはくにをじっと見詰め、くには顔を真っ赤に染めて思わず立ち上がる。
「恥ずかしがらなくていいのよ」
フェイカーは目を細めるとくにの細い腰を支えるように手を回し、側にあったベッドへと導いた。
「あ、あの、わたし!」「大丈夫……ゆっくり、力を抜いて……」
ベッドに仰向けに寝かされたくには立ち上がろうとするが、フェイカーに優しく両腕を抑えられる。
耳元に近づけられた唇から放たれる甘い言葉がくにを蝕んでいく。
「わたし……」
「大丈夫、大丈夫よくにさん。 私にしたいこと、されたいことを、ちゃんと頭に思い描いて…」
くにの首元をフェイカーの白魚のような右手と唇が走る。
かぷっ、と甘噛みすると、くにはあ…!と艶めいた声を上げた。

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