kagemiya@なりきり

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伯林一幕:金鍍金 2021/08/30 (月) 00:27:54

「…以上が列車で起きた出来事です」
俺の前でそう報告した部下の男は緊張した面持ちで列車での顛末を報告する。
どうやら最後のマスターはサーヴァントの召喚に土壇場で成功したようだ。
「…派遣した2人は戻ってきたのか?」
「それが…列車で死亡した親衛隊の中に二人がいたと報告が…」
「クソッ!」
自分の怒りを抑えられず、思わず机を叩く。強くし過ぎたのか叩いた部分に亀裂が入ってしまった。
だがその報告はそれほどまでに俺をイラつかせた。
サーヴァント召喚する前のマスターを殺すことすらできず、サーヴァントの召喚すら許してしまった親衛隊の連中。
そして俺が派遣したにも関わらず何もできずに無駄に死んだ二人、そこそこ役に立つと思って目をかけてやったのに恩知らずが!
どうせ死ぬのなら俺が殺してやりたかったが、そんなことを言っても何も変わらない。
なんとか落ち着こうと息を整え、少し冷静になると部下達は狼狽えた表情で俺を見ていることに気付く。

「…すまない、私としたことが。まさかあの二人が帰ってこないと思わず、少し冷静さを欠いてしまったようだ」
少し苦しい言い訳だっただろうか、そう感じながらも取り繕う。
…どうやら効果はあったみたいだ、「隊長の責任ではありません」「次は自分に行かせてください!」との声が次々とあがってくる。
「いざとなればこの命と引き換えに自爆も…!」
「やめておけ、サーヴァントを召喚したマスターにしても効果が薄い。今は君がそんなことに命を使う必要はないさ」
「コンスタンティン隊長…!」
何人かは自爆するつもりの人間もおり、(ぜひそうして他の連中を消耗させてくれ)と考えつつもそんな無駄死にするような真似はするなと一応声をかける。
何時ものように耳障りの良い言葉を並べながら、俺は次はコイツ等をどう動かすべきか考え始めるのであった。

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