ヒカルくん怪文書
2019/12/16 (月) 00:38:14
『御門……さん。いえ……ヒカルさん。いつも…ありがとうございます』
カグヤさんの表情はいつも可愛らしく美しいが、今回はいつもとは何かが違うように感じる。
なにか躊躇うような、ほんのり恥じているような…
『……あの…いつもギター…弾いてますよね、私の為に…その、今日は一緒に…演奏…しませんか?』
……ッ!?そ、そんな…まさかこんな日が来るなんて…とうとう僕の気持ちがカグヤさんに伝わった…!
ああ、嬉しすぎてなんだが視界がぼやけてきた。ああ、カグヤさんの姿が歪んでいく。
でも今はそんなことより早く僕の嬉しさも合わせて返事をしなければ!YESって!さぁ言うぞ、言うぞ!
「よ、よろこんでぇぇぇぇ………あれ……」
目の前には見慣れた自分の部屋、カグヤさんは見当たらない。
慌てて周囲を見渡す。
見慣れた自分の部屋、当然カグヤさんは見当たらない。
夢だったのだ、さっきのは自分の都合のいい夢。
その事実に思わず大きくため息をつく。
「…まぁ、そうだよね……ツバメさん居なかったし…あの人いないなんておかしいよね…ハァ…」
幸せな夢ではあったが、現実との大きな剥離に少し落ち込む。
だがいつまでも落ち込んでいられない、自分のこの夢をいつか現実にしてみせる!
そう自身を奮い立たせ、今日も生活の為バイト先へと向かう準備をするのであった。
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