創幸教団の日常 2/2
2019/12/16 (月) 00:13:32
躊躇なく銃口を向ける。抵抗感なくコックを下ろす。迷いなく引き金に指をかける。
「こっちのセリフ……☆」
引き金に指をかけた、と俺の脳が認識した刹那には、俺の周囲に10もの人影があった。
半分が刃、銃、徒手、あらゆる手段を持って俺を一瞬に殺せる間合いに立ち、そしてもう半分が、ちゃんどらの肉壁として立っている。
「誰が、弱いって?」
────────────。
銃を下ろす。向こうも依存者(しんじゃ)共を下げる。怪我したうえで、稼ぎを失ったら笑いものだからな。
────訂正しよう。お前は"弱くない"。
「でも?」
当然、俺の方が強い
「だと思った……☆」
変わらぬムカつく声で小さく笑って、ちゃんどらは奥の方に依存者に担がれ消えていった。
あの女は、ゴミにも劣る悍ましさと蛆虫にも勝る醜悪さが人の形を取ったような女だが、人心掌握だけは本当の強さだ。
強い奴は嫌いと言ったが、あそこまで己に振り切った奴の強さは見ていて飽きない。
……奴の脳天をぶちまけるのは、俺でありたいと思えるぐらいには……、な。
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